11月3日(木曜日),G20カンヌ・サミット出席のため同地を訪問中の野田総理大臣は,現地時間18時15分過ぎ(日本時間4日(金曜日)02時15分過ぎ)から約15分間,ファン=ロンパイ欧州理事会議長(H.E. Mr. Herman VAN ROMPUY, President of the European Council)及びバローゾ欧州委員会委員長(H.E. Mr. José Manuel BARROSO, President of the European Commission)と協議を行ったところ,概要以下のとおり。
- 冒頭,野田総理から,2日に東京で行われた外相協議に続き,この首脳協議を通じて日EU関係の強化をはかりたい旨述べました。これに対しファン=ロンパイ議長からニューヨークにおける国連総会の際に行われた首脳協議以来の再会を歓迎する旨述べました。
- 欧州経済情勢に関し,野田総理から,ギリシャでの国民投票を巡る動きを懸念している旨述べ,またユーロサミットで合意された債務危機に対する包括的戦略について,その着実な実施の重要性を指摘しました。また,EFSF債の購入など,日本と欧州の連携に言及しつつ,更なる連携のために日EU・EPAが重要である旨指摘しました。これに対し,ファン=ロンパイ議長から,ギリシャの国民投票というアイディアはなくなった,今回のG20の最大の目的はユーロ圏の安定のための連帯感と政治的意志を示し,市場の信認を高めることにあるとの発言がありました。
- 野田総理から,非関税措置及び規制・制度改革に取り組む強い決意を述べ,日EU・EPAのスコーピング作業の成功裏の終了と早期交渉開始に向けたEU側の協力を求めました。これに対し,バローゾ委員長からスコーピング作業を迅速化・加速化することにコミットしている,また,これまでの進展に満足しており,さらに努力を続けたいとの発言があり,野田総理から行政刷新会議を通じ,自分もリーダーシップを発揮する旨応じました。
- また,日EU政治協定について,バローゾ委員長から,実質的で包括的なあらゆる分野をカバーするものとしたい,との発言がありました。