(写真提供: 内閣広報室)
ラオスを公式訪問中の野田総理大臣は,本4日(日曜日)現地時間午後6時15分(日本時間午後8時15分)から約30分間,トンシン・タンマヴォン・ラオス人民民主共和国首相(H.E. Mr. Thongsing Thammavong, Prime Minister of Lao People's Democratic Republic)と,ビエンチャン国際空港VIP棟内応接室にて会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 冒頭トンシン首相は,本年6月の皇太子殿下のご訪問が行われるなど両国の友好協力関係は,高いレベルに達しており,両国に多くの利益をもたらしているとして高く評価しました。これに対して,野田総理は,トンシン首相に対し,ASEM第9回首脳会合の開催を祝福するとともに,日本の総理として8年ぶりにラオスを訪問できたことは喜ばしい,ビエンチャン国際空港をはじめ両国協力によるインフラが首都ビエンチャンの発展を支える実情を見ることができ嬉しい旨述べました。更に,野田総理は,ラオスから被災地へのゾウの貸与があったことに感謝の意を伝え,「日本・ラオス親善ゾウ」として大切にしていく旨述べ,ゾウの写真パネルを記念品として贈呈しました。
- トンシン首相は,日本のODAは長年に亘りラオスの発展に大きく貢献しているとして,ラオスを中心として関係国をつなぐインフラ整備や農業分野などでの我が国支援に感謝の意を表しました。特に今回引き渡し式を行ったワッタイ空港拡張計画や空港VIP棟建設に深い感謝の意を表しました。これに対して野田総理は,「首都ビエンチャンの電源」であるナムグム第一水力発電所拡張事業への円借款の供与(約55億円)に必要な措置をとることを表明した上で,ODAのみならず投資によってもラオスの発展を支援したい旨述べました。また,ビエンチャンにおける投資の受け皿となる工業団地の整備に向けラオスとの連携を強化するとともに,空港事業や農業分野などの官民連携を推進していきたい述べました。その上で,また,野田総理は,ASEAN統合基金を活用した保健・教育分野での新たな支援を表明し,トンシン首相は域内格差是正に向けた支援として高く評価する旨述べました。
- 両首脳は,先般ラオスのWTO加盟が決定したことを踏まえ,更なる両国間の貿易の拡大に期待を表明しました。また,両首脳は,日・ASEAN関係など東アジア情勢について意見交換を行い,これらの課題につき協力して取り組んでいくことで一致しました。