9月9日(日曜日),10時15分(現地時間)から約25分間,APEC首脳会議に出席のためウラジオストクを訪問中の野田総理は,マレーシアのナジブ・ラザク首相との間で日・マレーシア首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1.冒頭
野田総理から,ナジブ首相の叔父に当たるハムザ元法務大臣が4日に逝去されたことに弔意を表明するとともに,東方政策30周年である本年を更なる関係強化の契機としたい旨述べ,両首脳は,二国間関係のみならず,地域や国際社会の課題についても緊密に連携していくことで一致しました。
2.二国間関係
- (1)野田総理から,東方政策を今後とも両国の友好関係の象徴として発展させたい旨述べたところ,ナジブ首相から,これまで東方政策の下で多くのマレーシアの若者が日本で学び,技術のみならず労働倫理などを学ぶことができたのは,東方政策の大きな成果である旨発言があり,両首脳は,東方政策の集大成とも言えるマレーシア日本国際工科院(MJIIT)がASEANにとっての日本式工学教育の拠点に発展するよう協力していくことを確認しました。
- (2)また,ナジブ首相から,日本の投資から多くの雇用が生まれており,日本からの更なる投資を歓迎する旨発言があり,野田総理から,インフラ整備面での協力,特に,高速鉄道,スマートコミュニティ,水ビジネスといった分野における具体的協力の進展に期待を示しました。
3.地域的協力
- (1)両首脳は,11月のASEAN関連首脳会議に向けて日・マレーシア両国で連携していくことを確認しました。南シナ海をめぐる問題については,国際社会全体の関心事項であり,国連海洋法条約などの関連国際法を遵守することが重要であるとの認識を共有しました。また,来年の日・ASEAN交流40周年を通じ,中長期的な日・ASEAN間のパートナーシップを強化していくことで一致しました。
- (2)TPPについては,ナジブ首相から,日本の参加を支持する旨述べ,野田総理からは,これまでのマレーシアの支持に謝意を表明するとともに,今後ともマレーシアの協力を得ていきたい旨述べました。
- (3)両首脳は,東アジア地域包括的経済連携(RCEP)について11月の交渉立ち上げに向けて共に協力していくことで一致しました。