6月17日(日曜日)19時45分(現地時間)から20時20分ごろまで,G20ロスカボス・サミットに出席のためメキシコ滞在中の野田佳彦総理大臣は,フィエスタ・アメリカーナ内で,フェリペ・カルデロン・イノホサ・メキシコ合衆国大統領(H.E.Mr.Felipe Calderón Hinojosa, President of the Mexican United States)と日・メキシコ首脳会談を行ったところ,概要以下のとおりです。
1. 二国間関係
- (1)野田総理から,在任中3度に亘る訪日を含む二国間関係強化に向けたカルデロン大統領の尽力に感謝する旨を述べました。また,東日本大震災の際の緊急援助隊の派遣を含むメキシコからの支援に謝意を表明するとともに,本年8月にメキシコが相馬市から子供を招くことに対しても感謝の意を表しました。カルデロン大統領からは,野田総理が今回は早く帰国する(注:野田総理はG20サミット1日目終了時に帰国)ことは残念ではあるが,お忙しい中のメキシコ来訪を歓迎するとともに,改めて公式にメキシコを訪問して欲しい旨述べました。
- (2)また,カルデロン大統領は,二国間関係が極めて順調であり,日本企業のメキシコへの投資を評価すると述べました。野田総理からは,両国の経済関係が日メキシコEPAにより順調に拡大していることを歓迎しつつ,メキシコに進出する日系企業に影響を与えるメキシコとブラジルとの自動車協定の見直し合意等に懸念を表明しました。これに対し,カルデロン大統領から自由貿易を進めることが重要との発言があり,両首脳はG20で自由貿易の重要性を訴えることで意見の一致をみました。
2. G20
野田総理から,今回のG20では,現下の世界経済情勢について主要国が協調して対応するとの政治的メッセージを出すことが重要であると述べました。これに対し,カルデロン大統領は,IMFに対する日本の600億ドルの増資に敬意を表すると述べるとともに,メキシコも数十億ドルの増資を行う用意がある旨表明しました。また,両首脳は,他の国もIMFに貢献することが重要であるとの点で意見の一致をみました。
3. TPP
両首脳は,TPP交渉参加に向けた協議につき,今後とも情報交換を緊密に行っていくことで一致しました。カルデロン大統領からは,今次G20の機会に行われる米国とメキシコの首脳会談における進展に期待している旨の発言がありました。
4. 太平洋同盟
野田総理から,自由貿易を推進する太平洋同盟との意見交換をしていきたいと述べました。5. その他
両首脳は安保理改革,リオ+20,気候変動問題,ポストMDGs,軍縮・不拡散などについて今後とも協力していくことを確認しました。また,野田総理から北朝鮮情勢に関して説明を行い,カルデロン大統領は日本の説明に理解を示し,拉致問題の解決に向け協力していく旨表明しました。