総理大臣

日・タイ首脳会談・総理主催夕食会(概要)

平成24年3月7日

  • (写真)タイ王国のインラック首相と握手する野田総理
    (写真提供:内閣広報室)
  • (写真)日・タイ首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)

 本7日(水曜日)午後5時半から約30分間、野田佳彦内閣総理大臣は、インラック・シナワット・タイ王国首相(H.E.Ms. Yingluck SHINAWATRA, Prime Minister of the Kingdom of Thailand)と首相官邸において会談を行いました(日本側より、玄葉外務大臣、前田国土交通大臣、齊藤内閣官房副長官、長島総理補佐官、小島駐タイ大使他が、タイ側より、キティラット副首相兼蔵相、スラポン外務大臣、アヌディット情報通信技術大臣、ブンソン商務大臣、ポンサワット工業大臣、ナリニー・タウィーシン首相府付大臣、チャチャート運輸副大臣、ウィーラサック駐日大使他が同席)。
 引き続き、午後6時20分から約1時間20分間、野田総理主催夕食会が行われました(日本側上記出席者中、齊藤副長官に替わって長浜副長官が参加)。
 会談および夕食会の概要は以下のとおりです。
 また、今次インラック首相の来日にあたり、「恒久的な友情の絆に基づく戦略的パートナーシップに関する日タイ共同声明」を発出しました。

  1. 両首脳は、昨年の東日本大震災とタイにおける洪水被害に互いに支援を行うことにより両国の絆が一層強まったこと、両国は民主主義等の基本的価値を共有する戦略的パートナーとして二国間、地域・グローバルな諸課題に協力して取組んでいくことで一致しました。また、野田総理は、インラック首相が、タイの民主主義の定着、国民和解の実現に向け努力していることを評価しました。

  2. 野田総理から、人的交流は二国間関係の基盤であり、あらゆるレベルでの交流を促進したい旨述べつつ、来月東京において開催予定の日メコン首脳会議へのインラック首相の出席を歓迎するとともに、本年7月、震災被災地で開催される大規模自然災害に関する閣僚級国際会議へのタイからの出席を要請しました。また、日本再生に関する理解を増進するために、野田総理は、今後約1年間、タイから約300名の青少年を日本に招待する旨表明しました。また、今般、新たに短期旅行者に対し一定の条件の下、数次ビザを発給する旨伝えました。これに対しインラック首相から、両国の人的交流を今後とも強化したい、日本の青少年交流事業を高く評価している旨の発言がありました。

  3. タイの洪水被害に関し、野田総理より、チャオプラヤー川洪水マスタープランの策定、さらには、洪水被害を受けた工業団地、その周辺インフラ復旧にタイと共同して取り組む中で予定している80億円規模の無償資金協力を始め、我が国として、全面的に支援を行う旨述べ、これに対しインラック首相から謝意の表明がありました。また、野田総理から、タイ政府の洪水対策への取組を評価するとともに、今後ともタイ側が日系企業にも配慮しつつ、しっかりとした対応をするよう求めました。これに対しインラック首相から、タイ政府としては、予算措置をとることも含め、二度と同様の被害を繰り返さないよう日本政府と日系企業に対し約束したい旨述べました。

  4. 両首脳は、タイにとって重要な課題となっているインフラ整備に関し、宇宙技術、鉄道、ICT基盤整備等の分野で協力関係を進展させることが重要であることで一致しました。また、両首脳は、日タイ経済連携協定の円滑な運用を含め、両国の経済関係強化を図ることで一致しました。

  5. 野田総理から、2010年のタイのデモの中で発生した邦人死亡事件について、早期の真相究明を求めました。これに対しインラック首相から、司法プロセスに触れつつ、真相究明に向けて努力している旨述べました。また、風評被害について、インラック首相から、食品輸入の規制対象地域についての緩和を行いたい旨、さらに東北地方を含めて観光協力を深めることで被災地を支援していきたい旨発言がありました。

  6. 地域・国際情勢に関し、両首脳は、東アジアにおける協力、日メコン協力、ミャンマー情勢、朝鮮半島情勢について意見交換を行ない、これらの課題につき協力して取り組んでいくことで行くことで一致しました。
    また、夕食会では、スポーツの話題などにも触れられ、終始和やかな雰囲気で行われました。
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