(写真提供:内閣広報室)
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本16日(金曜日)午後5時30分過ぎから約40分間,野田佳彦内閣総理大臣は,トンシン・タンマヴォン・ラオス人民民主共和国首相(H.E. Mr. Thongsing Thammavong, Prime Minister of Lao People’s Democratic Republic)と首相官邸において会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 総論
野田総理は,東南アジア諸国連合(ASEAN)以外の最初の海外訪問先として日本を選んだトンシン首相を歓迎し,東日本大震災に際してのラオスの支援に謝意を伝えました。さらに,我が国は,メコン地域の中心に位置し,地域の安全と繁栄の鍵を握るラオスを重視しており,ラオス洪水被害復興支援と,今般再開する円借款に言及しつつ,両国間の「包括的パートナーシップ」が一層強化されることを確信する旨述べました。
トンシン首相は,震災被害へのお見舞と追悼の意を表するとともに,早期の復興を確信している旨述べました。さらに,トンシン首相は,円借款再開に深甚なる謝意を述べつつ,洪水被害支援を通じ,両国の絆は更に深まるものと確信している旨述べました。その上で,「包括的パートナーシップ」に相応しい幅広い協力関係をさらに増進することを約束しました。
野田総理は,引き続き政治分野の交流を促進する旨述べたところ,トンシン首相から,野田総理に対しては本年11月にラオスが主催するアジア欧州会合(ASEM)第9回首脳会議への招待があり,野田総理は招待に感謝し,検討したい旨述べました。 - 経済協力
野田総理は,ラオスからの強い希望に応え今般再開する円借款を,今後有効活用して欲しい旨述べました。さらに,我が国は,ミレニアム開発目標達成と後発開発途上国からの脱却を目指すラオスに対して,今後,インフラ,農業,教育,保健の四分野を重視した支援を行うことを伝え,インフラでは地域の連結性強化を重視し,「ビエンチャン都市開発マスタープラン」の具体化への支援を行い,農業では官民連携を視野に支援を行う旨述べました。
これに対し,トンシン首相からは,ラオスには未だ多くの開発ニーズがある中で,円借款再開は非常に有り難いものであるとして謝意を表明しました。また,これまでの我が国援助が,ラオスの国造りに多大なる貢献を果たしているとして重ねて謝意の表明がありました。その上で,トンシン首相は,インフラ整備他,今後の協力関係の進展に期待する旨述べました。 - 経済・文化
野田総理は,ラオスが潜在力を持つ,鉱業,電力や農業等への民間投資を通じてもラオスの発展に貢献したいとして,中小企業を含む日本企業投資を政府開発援助(ODA)を活用して側面支援する旨述べました。また,ラオス観光年の本年,チャーター便運航などを通じ,観光面での更なる交流への期待を表明しました。
これに対してトンシン首相は,ラオスの経済発展には民間投資が不可欠であり,質が高く信頼の置ける我が国からの投資の更なる促進に向けて取り組んでいく旨述べました。また,両国間の友好と相互理解の増進のため,観光分野や文化面での交流の促進に努めていく旨述べました。 - 国際場裡での協力
トンシン首相は,ビエンチャン国際空港拡張計画など本年11月のASEM第9回首脳会議開催に向けた我が国からの支援に謝意を述べつつ,本年4月の東京での日メコン首脳会議の成功に向け,我が国と引き続き協力していくことを約束しました。
さらに,野田総理は,本日,北朝鮮が「人工衛星」の発射計画を発表したが,これは明確な安保理決議違反であり,我が国は関係国と連携しながら,強く自制を求めていくので,ラオスの協力も得たい旨述べました。これに対し,ラオス側より,関係国が協議して,国際社会の平和に繋がるよう解決されることを期待する旨の発言がありました。
- 日ラオス首脳会談に関する共同プレス発表(骨子)(PDF)
- 日ラオス首脳会談に関する共同プレス発表(英文(PDF)
/仮訳(PDF)
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