12月4日から7日まで京都で開催されている,第15回ILOアジア太平洋地域会議に出席した野田佳彦内閣総理大臣は,4日(日曜日)午後1時15分から約15分間,国立京都国際会館において,古賀伸明日本労働組合総連合会会長と国際労働機関(ILO)を巡る国際的な諸問題について意見交換したところ,概要は以下のとおりです。なお,この会談には小宮山厚生労働大臣等が同席しました。
- フィジー情勢
(1)古賀会長から,フィジー労働組合幹部が逮捕されるなど,フィジーの状況を憂慮しており,日本政府としても同国に対して働きかけを強化して欲しい旨述べました。
(2)これに対し,野田総理から,フィジーの状況については憂慮しており,粘り強い対話を通じ,同国の民政復帰を働きかけていきたい旨述べました。 - ミャンマー情勢
(1)古賀会長から,ミャンマー情勢には一定の進展があるものの,引き続き同国の情勢を見極める必要があり, 日本政府としても然るべくフォローして頂きたい旨述べました。
(2)これに対し,野田総理から,本年11月18日の日・ミャンマー首脳会談に際し,テイン・セイン・ミャンマー大統領に対し,最近の前向きな動きを評価する旨伝えるとともに,更なる政治犯の釈放を含め,一層の前進を期待する旨伝達したことを紹介し,今後とも我が国として同国における前向きな動きを促していく旨表明しました。
(参考1)フィジー情勢
- 2006年12月に,クーデターによりバイニマラマ国軍司令官が暫定首相に就任。2009年4月には憲法を停止。
- 本年8月および11月に,フィジー労働組合幹部が政府の転覆をはかった反逆罪等で続けて逮捕・拘束される事案が発生した(その後いずれも 釈放)。
- 11月18日,野田総理は,インドネシアのバリ島におけるテイン・セイン・ミャンマー大統領との首脳会談に際し,同大統領の下での民主化・国民和解の動きを評価しつつ,更なる政治犯の釈放等を通じ,民主化・国民和解を一層確固たるものにしていくことを期待する旨述べた。これに対して先方より今後とも努力を継続していく旨発言があった。