(写真提供: 内閣広報室)
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本24日(月曜日),午後6時から約30分間,野田佳彦総理大臣は,来日中のクリスティアン・ヴルフ・ドイツ連邦共和国大統領(H.E. Mr. Christian Wulff, President of the Federal Republic of Germany)と首相官邸において会談したところ,概要は以下のとおりです。
また,会談後,午後6時半から約1時間45分,野田総理主催晩餐会を行いました。
- 冒頭
野田総理から,日独交流150周年のハイライトであるヴルフ大統領の来日を歓迎する,25日のヴルフ大統領による被災地(いわき市)訪問に感謝,日本はビジネス・留学・観光にオープンであり多くのドイツ人に訪日頂きたい,日独交流150周年の名誉総裁であるヴルフ大統領と皇太子殿下の間で重要性が確認された日独の青少年交流の活発化を期待する旨述べました。
ヴルフ大統領から,日本の国民性や努力する姿からドイツ人も学ぶべき,日独間では国連,アフガニスタン問題,世界経済,通貨問題,国家債務問題,エネルギー政策などで多くの意見の一致があり,共同して世界の問題の解決に当たることが出来る,野田総理に早期に訪独頂きたい旨述べました。 - 欧州経済及び日EU・EPA
野田総理から,ギリシャ問題の連鎖を阻止すべき,26日の欧州理事会が包括的な合意をすることが重要,ドイツの指導力に期待する旨述べました。
ヴルフ大統領より,日EU間では自由貿易を進めるべく日EU間で対話を深めるべき旨述べたのに対し,野田総理より,日EU間の自由貿易を高い水準に引き上げたく日EU・EPAを進めたい,自分(野田総理)もリーダーシップをとるので貴大統領の理解と支援を得たい旨述べました。(なお,ヴルフ大統領より,晩餐会のスピーチにおいて,日EU・EPAは,日独間をさらに近づけるものである旨述べました。) - 原発対応
野田総理から,年内の冷温停止に向け取り組んでいる,事故の経験及び教訓を国際社会と共有し貢献したい,原発の状況や食品の安全については迅速・正確な情報の提供に努めるのでEUの輸入規制措置については最新の客観的データを基に対応いただきたい旨述べました。
これに対し,ヴルフ大統領から,総理の自由貿易推進の立場は承知,本日は経済関係者も同席しており今後も対話を続けたい旨述べました。 - アフガニスタン問題
ヴルフ大統領から,2014年までの治安権限の委譲後を考えると,12月のボン会議は重要である旨述べました。
野田総理から,和解・再統合プロセスを後退させるべきでなくご指摘の会議は重要,我が国は5年間で約50億ドルの支援を行う方針である旨述べました。 - 晩餐会
晩餐会は各界からの参加者(計59名)を得て,和やかな雰囲気の中で行われました。野田総理は,歓迎スピーチの中で,これまで築かれてきた両国の絆を,次の世代を担う若者たちにもしっかりと受け継いでもらいたい旨述べました。これに対し,ヴルフ大統領からは,経済,学術などあらゆる分野で両国は協力していくべきである等の趣旨のスピーチを行いました。