本12日(月曜日),午後2時5分頃から約35分間,野田佳彦内閣総理大臣は,フアン・マヌエル・サントス・コロンビア大統領(Juan Manuel Santos, President of the Republic of Colombia)と首相官邸において会談を行ったところ概要は以下のとおりです(コロンビア側から,オルギン外相,ロダド鉱山・エネルギー大臣,ディアスーグラナドス商工観光大臣,カルドナ運輸大臣,カルデナス在京大使他が,日本側から,玄葉外務大臣,長浜官房副長官,五十嵐財務副大臣,松下経産副大臣,鈴木駐コロンビア大使他が同席)。
- 冒頭,野田総理より,総理として官邸にお迎えする初めての外国元首であり,約20年ぶりの訪日(当時は通商大臣)を歓迎する旨を発言するとともに,東日本大震災に際してのコロンビアからの支援,またサントス大統領ご自身が記帳に在コロンビア大使館を訪問されたことに言及しつつ,今後の経済関係強化への期待を表明しました。これに対しサントス大統領より,訪日受け入れへの謝意とともに,コロンビア国民・政府の名において東日本大震災及び台風12号の被害に対する連帯の表明がありました。これに対し野田総理より,謝意を表明するとともに,「開かれた復興」に向けた我が国の決意を述べました。
- 経済関係につき,サントス大統領より,両国関係はその潜在的な力を活かす環境が必ずしも整っていなかったが,今やコロンビアの治安状況の改善や中南米における役割に鑑みて,両国関係強化の最良の状況にある,本日の投資協定署名は喜ばしく,また将来的な経済連携協定交渉に向けた共同研究プロセスを開始したいとの発言がありました。同大統領は,コロンビアが投資環境改善への努力もあり,中南米において最も外国投資が伸びている国であることを紹介しつつ,日本とのさらなる経済関係緊密化への期待を表明しました。これに対し野田総理より,サントス大統領の治安面での努力を評価するとともに,我が国経済界のコロンビアに対する高い関心を紹介しつつ,一層の経済関係強化のためにも引き続き治安面で努力頂きたい旨要請しました。また経済連携協定に関しては,まずは共同研究の立ち上げから開始したいと述べました。
- またサントス大統領より,経済面のみならず,民主主義や基本的人権を共有する国として,気候変動に関するCOP17の成功に向けた協力など環境面をはじめとする国際場裏の種々のテーマでも協力していきたいとの発言がありました。この関連で野田総理からは,北朝鮮の人権状況,特に我が国にとっての拉致問題についての懸念を表明し,引き続き国際社会に働きかけていく旨を述べました。その他,両首脳は国連改革についても両国間の対話を続けていくことで一致しました。