平成18年8月
(イ)半年の間に双方の首相が相互訪問し、100名近くの日本の政治家が来訪。これは、他の二国間関係ではないこと。両国関係が極めて良好に発展していることの証左。
(ロ)トップドナーとして最大の支援を行ってきた日本に改めて感謝。引き続き支援を継続してほしい。要望を提出しており検討願いたい。円借款案件として「新国際空港建設」計画を前向きに検討してもらいたい。
(ハ)モンゴルの外交政策は中露とのバランスの良い関係構築と、第三の隣国との関係強化という多元的外交政策。日本は第三の隣国として極めて重要。
(ニ)総合的パートナーシップの新たな段階のため、具体的行動計画を策定したい。経済交流の拡充により互恵的関係を構築していきたい。また、民間の協力を発展させるために、日本企業による地下資源に対する投資、他にも、農牧業、道路、電力、通信、観光への投資を期待。投資の拡大等のために二重課税防止にも取り組みたい。
(ホ)モンゴルを訪れる日本人が大変多くなった一因は本年4月から12月まで査証免除を実施したこと。他方、モンゴル人の多くが日本を訪問したいが査証手続が複雑。簡素化をお願いしたい。
(ヘ)来年は日モンゴル国交35周年でありモンゴルにおける日本年。両陛下及び皇太子同妃両殿下、河野衆議院議長の訪問を招請したい。
(ト)モンゴルは日本の国連常任理事国入りを当初から支持。引き続き支持する。日本がモンゴルのASEM参加を支持してくれていることに感謝。
(イ)モンゴルは北朝鮮との国交や上海協力機構へのオブザーバー参加等、日本にはない特色を有する。北朝鮮を含む地域・国際情勢について対話・協力の幅を広げたく、事務レベルで意見・情報交換の場を持たせたい。(「エ」首相より賛同)
(ロ)貴国の地下資源に対し、日本を含め世界の企業が関心。今後の開発のあり方につき引き続き意見交換を継続したい。投資環境の整備に対する努力を期待。また、地下資源だけでなく、技術、農業、環境等様々な分野での協力を強化したい。
(ハ)「エ」首相が3月の訪日時に、「スーホーの白い馬」の話をされたが、今回2つの民話を持参した。また、留学生受入、校舎改修等の支援を実施。貴国に於いて日モ関係を担う新しい世代が養成されることを期待。
(ニ)査証発給の簡素化等、「エ」首相の提起された課題については、事務レベルで検討させたい。
(ホ)両陛下/皇太子同妃両殿下への訪問招請に関しては、謝意を表する。然るべくお伝えしたい。
(ヘ)エンフバヤル大統領の日本招待を来年の2月、日モ外交関係樹立記念日の前後に実施したいので首相から大統領にも伝えてほしいと述べた。
(ト)貴国のASEM参加を我が国は支持。我が国の安保理改革に向けた取組みへの貴国の一貫した支持に感謝。
(1)今次訪問を基礎に今後更にあらゆる分野での協力関係を強化することで一致。
(2)来年の早い時期の大統領訪日に向け具体的調整を行うことで一致。
(3)北朝鮮等地域・国際情勢について協議を立ち上げ協力を強化すること、北朝鮮が早期に六者会合に復帰するよう協力して働きかけることで一致。総理より、拉致、核、ミサイルの諸懸案の解決の重要性を説明。大統領は理解と支持を表明。
(4)経済協力につき、大統領より今回多くの成果を得た、更なる協力を期待すると述べ、総理より協力したいと応じた。また、総理よりモンゴルの地下資源開発について言及したのに対し、大統領より日本の有する経験や技術への期待を表明。
(5)モンゴル側より白い馬が贈呈され、総理が「エンフ・インパクト」と命名(エンフは大統領・首相・外相の名前に共通する一部。平和、穏やかといった意味。)
(1)経協案件「人材育成奨学計画」E/N署名式実施。
(2)、モンゴルの初等中等教科書に掲載する日本の物語『かさこじぞう』及び『鶴の恩返し』を提示(3月の「エ」首相訪日時に小泉総理に依頼のあったもの)
(3)800冊の国語辞典を初等中等学校で日本語を学習する子ども達に贈呈(3月の「エ」首相訪日時に表明された馬頭琴800棹の寄贈に対する御礼)
(4)10県10校の校舎・寄宿舎の改修を今年度中に実施することを表明。
(5)文化無償資金協力案件「カラコルム博物館建設計画」の実施を表明。
上記の他、歓迎式典、共同記者会見、オペラ「チンギスハーン第二幕」鑑賞、日本人抑留中死亡者慰霊碑献花、植樹式、ミニ・ナーダム視察が行われた。