
第9回日・ASEAN首脳会議共同声明
「日本ASEAN戦略的パートナーシップの深化・拡大」
平成17年12月13日
写真:内閣広報室
1.主なポイント
- 「日ASEAN戦略的パートナーシップ」の深化・拡大に向けた政治的決意を再確認。(過去30年の実績の上に、今や日ASEANは対等の立場で共通の課題と機会に取り組む。ASEANは地域協力の「運転者」の役割・ASEAN統合の推進を通じて、東アジア地域協力に一層活発な貢献。)
- ASEAN統合支援(75億円)や鳥インフルエンザ対策(1.35億ドル)を含め、日ASEANで協力を強化していく分野や具体的協力を明示。
- 今回の「共同声明」はASEANが年次首脳会議で発出する初めての「共同声明」。
2.共同声明の概要
(1)日ASEAN戦略的パートナーシップ
- 過去30年の実績を基礎に、今や日本とASEANは、対等な立場で共通の課題と機会に取り組む。日本はASEANが地域協力の「運転者」の役割・ASEAN統合の推進を通じて東アジア地域協力において一層積極的な貢献を行うことを支持。日本とASEANが戦略的なパートナーシップを深化・拡大させる決意を再確認。
- 日ASEAN関係の基本原則として、東南アジア友好協力条約やその他の国際法の原則、普遍的な価値とグローバルな規範を確認。
(2)具体的協力分野
(イ)ASEAN共同体形成に向けた努力への支援
- 2020年までのASEAN共同体形成に向けたイニシアティブを支援。ASEANは、ASEAN統合イニシアティブやビエンチャン行動計画を含め、ASEAN共同体形成への努力に向けた日本の支援に感謝。
- ASEAN統合支援のため、ASEAN開発基金や日・ASEAN協力基金を通じ、新たな75億円の支援を行うとの日本のコミットメントを歓迎。
(ロ)経済連携強化
- 日本とASEANは、日・ASEAN包括的経済連携交渉を2005年4月の交渉開始から2年以内、可能な限り早期に、まとめるよう努力。
(ハ)日ASEANセンター改革
- 日ASEANセンター改革賢人会議中間報告を検討するよう関係省庁に奨励。
(ニ)地域的・国際的課題への取り組み
- 鳥インフルエンザ、HIV/AIDS、結核等の新興・再興感染症への対策強化を確認。日本は鳥インフルエンザ対策としてASEAN向けの50万人分のタミフルの供与を含む1.35億ドルの対アジア支援を行う。
- ASEANは日本のテロ分野での支援強化を歓迎。2006年前半に日・ASEANテロ対策協議を実施するとの日本の提案を歓迎。
- 日本は津波早期警戒システムの設立等に向けた地域的協力を支援。
(ホ)人的交流の促進
- 日・ASEAN間の交流相互理解を促進。職業訓練や高等教育分野を含めた交流プログラム支援の日本のコミットメントを評価。
(ヘ)東アジア協力の深化
- ASEAN+3協力を促進するとともに東アジア首脳会議において共通の課題につき対話を強化。
(ト)国際問題への対応における協力
- 環境、不拡散等地域及び国際レベルでの問題に向け、より効果的な協力を行う。
- 9月の国連首脳会議の成果文書に基づき、今期国連総会中に安保理を含む国連システムの包括的改革を促進すべく協力。