東アジア首脳会議に関するクアラルンプール宣言
（骨子）
1．主なポイント
- 東アジア首脳会議は、この地域における共同体形成において、「重要な役割」を果たし得る。共同体を形成する東アジア首脳会議の努力は、進化する地域枠組みの不可分の一部を構成する。
- 東アジア首脳会議は開かれた枠組みである。
- 東アジア首脳会議では、グローバルな規範と普遍的価値の強化に努める。
- 会議では、政治・安保、経済、社会・文化の幅広い領域にわたる分野に焦点を当てていく。
- 会議は定期的に開催する。会議形態の見直しは、全ての参加国が行う。
2．宣言の概要
（1）共同体形成との関係
- 東アジア首脳会議は、この地域における共同体形成において、「重要な役割（significant role）」を果たし得るとの見方を共有。
- この地域の共同体形成を促進するEASの努力は、ASEAN共同体実現と整合的に、かつ、これを強化するものであり、進化する地域枠組みの不可分の一部を構成する。
（2）開かれた枠組み
- 東アジア首脳会議は開放的・包含的・透明かつ外部志向の枠組みである。
（3）普遍的価値
- 東アジア首脳会議で、各国は、グローバルな規範と普遍的価値の強化に努める。
（4）具体的分野
- 東アジア首脳会議は、以下の分野に焦点を当てる。
1）政治・安保：公正、民主的な環境で各国が平和裡に共存できるように、政治・安全保障問題に関する戦略的対話と強力を推進。
2）経済：技術移転、インフラ開発、能力形成、グッドガバナンス、人道支援、金融協力の推進、貿易・投資の拡大・自由化を通じ、開発、金融の安定、エネルギー安全保障、経済統合及び成長、貧困撲滅並びに開発格差是正を促進。
3）社会・文化：信頼と連帯を醸成するための文化的理解の深化、環境保護、感染症予防及び災害被害軽減等の分野の協力促進。
（5）東アジア首脳会議の形態
- 東アジア首脳会議を定期的に開催する。
- 東アジア首脳会議の「推進力（driving force）」はASEAN。会議はASEANが主催し、ASEAN議長国が議長となる。年次ASEAN首脳会議の機会にこれと背中合わせで開催する。
- 会議の参加国は、ASEANが設定した基準に基づくものとする。
- 東アジア首脳会議の形態の見直しは、すべての東アジア首脳会議参加国が行う。