本4日(月曜日),来日中のナルィシュキン,セルゲイ・エヴゲニエヴィチ(NARYSHKIN, Sergey Evgenievich)ロシア大統領府長官は,官邸において,午後3時から菅直人内閣総理大臣を表敬し,また,午後4時40分から約30分間,枝野幸男内閣官房長官と会談を行いました。その概要は以下のとおりです。
1.菅総理大臣への表敬
(1)菅総理から,東日本大震災の際のロシアからの支援に感謝を表するとともに,エネルギー,原子力,青少年交流の分野での協力の進展に期待を示しました。また,領土問題についてもしっかり議論して早期の平和条約締結につなげていきたいとの発言がありました。(2)ナルィシュキン長官から,東日本大震災を受けて,日本国民は勇気を示した,日露間ではエネルギーを含め経済協力の可能性が広がっている,日露関係の雰囲気は良くなっており,様々な問題の解決にとっても良いことであるとの発言がありました。
2.枝野官房長官との会談
(1)冒頭,枝野官房長官から,「ロシア文化フェスティバル」のオープニング・セレモニーの成功をお祝いしつつ,ドーヴィルでの日露首脳会談を契機として日露関係が良い方向に進むように尽力していきたい旨述べました。(2)これに対し,ナルィシュキン長官から,東日本大震災に関し日本国民及び日本政府に哀悼の意を表しつつ,震災後の両国の対応により両国国民が接近しており,様々な対話ができるような良い環境が整いつつある旨述べました。
(3)北方領土問題について,枝野官房長官から,真の友好関係を築くためには領土問題を解決する必要がある旨指摘し,双方は静かな環境で議論を続けることで一致しました。