総理大臣

日インド首脳会談(概要)

平成22年6月27日

 6月27日(日曜日)午前11時40分(カナダ東部時間,日本時間28日(月曜日)午前0時40分)から約15分間,G20トロント・サミット出席のためカナダを訪問中の菅総理大臣は,シン・インド首相との間で会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,これに先立ち,26日(土曜日)夜の歓迎セレモニー時にも両首脳は挨拶を交わしました。

1.二国間関係全般

 冒頭,菅総理より,目覚ましい成長を遂げているインドとの間で,経済的のみならず,政治的にも良好な関係を長きにわたって維持してきており,この関係をさらに深めていきたい旨述べたのに対し,シン首相より,インドは偉大な国である日本との関係を非常に重視している,これは政府のみならずインドにおける全ての政治勢力が共有しているとして,両国の関係は可能な限り強化されなければならないと考えているものである旨述べました。さらに,シン首相より,戦略的グローバル・パートナーシップというヴィジョンを実体の伴ったものとして発展させることを期待している旨述べ,両首脳間で戦略的グローバル・パートナーシップの発展に向け努力していくこと,また年一回の首脳相互訪問を今後も続けていく点について一致しました。

2.経済関係

 シン首相より,日本からのODA(政府開発援助:Official Development Assistance)をはじめとする様々な支援に謝意を述べつつ,今後さらにより幅広い分野で関係を強化していく上でその中核となるのが両国の産業界の間の協力であるとして,近年の日本企業によるインドへの投資が増大していることを歓迎し,菅総理の卓越したリーダーシップの下で両国関係がさらに強化されると確信していると述べました。菅総理より,最大の民主主義国であり,自由主義国でもあって,基本的な価値観を共有しているインドが素晴らしい成長を遂げる中で,日本がインドを支援することは,日本の成長にとってもチャンスとなる旨述べました。とりわけ,デリー・ムンバイ間の貨物専用鉄道建設計画(DFC)やデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)の実現が重要である点で両首脳は一致しました。

3.安全保障・防衛関係

 シン首相より,安全保障・防衛面での関係を強化すべきとして,シーレーン防衛が両国にとって円滑な貿易を促進するという観点からも有益である旨指摘があり,現在の防衛当局間の良好な協力関係に強く勇気づけられる旨コメントがありました。

4.グローバルな課題・民生原子力協力

 シン首相より,日本が環境・エネルギー問題といったグローバルな課題において,指導力を発揮していただくことを歓迎しているとした上で,民生原子力分野でもさらに協力関係を築いていきたい,日本との間で協議のプロセスが始まったことを喜ばしく思うと述べました。これに対し,菅総理より,民生原子力分野での協力については,インドによる原子力の平和的利用のために協力できることは大いにあると思う,政府としても様々な形で協力したいと述べました。

5.経済界の期待

 最後に,菅総理より,G20と並行して行われているB20に出席しているビジネスマンとの議論を紹介し,日本の企業も日インド関係の発展に積極的で強い関心を持っている旨述べ,シン首相よりも,これまで日本の経済界の方々とは何度もお会いしたが,日インド関係の発展に非常に前向きであると感じた,日本からの投資を促進するために全面的な支援をしたいと述べました。

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