総理大臣

日加首脳会談の概要

平成22年6月25日

 カナダ東部時間25日午前9時半過ぎ(日本時間25日午後10時半過ぎ)から約20分間,G8サミット出席のためにカナダを訪問中の菅総理大臣は,ハーパー・カナダ首相との間で日加首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり(先方:キャノン外務大臣他同席,当方:福山官房副長官,西田駐カナダ大使,河相官房副長官補他同席)。

1.日カナダ関係

(1)冒頭発言
 菅総理から,G8・G20サミットの議長としてのハーパー首相のリーダーシップに感謝する,本年2月にイカルイットを訪問したのに続き,再度カナダを訪問できたことを嬉しく思う,11月のAPEC(アジア太平洋経済協力:Asia-Pacific Economic Cooperation)にも繋いでいきたい旨述べたのに対し,ハーパー首相から,総理の発言に同意しつつ,総理就任にお祝いを申し上げるとともに,今回のカナダ訪問を歓迎する旨,先般の電話会談は有意義であった旨述べた。ハーパー首相から,日本は選挙の真っ最中であるとして,選挙情勢についての照会があったのに対し,菅総理から,厳しい戦いとなるが全力を尽くしていきたい旨述べた。
(2)平和安全保障分野における日カナダ協力
 日加のこれまでの政治・経済協力関係の進展を踏まえ,これを更に進めるべく,政治・平和安全保障分野の一層の協力進展のため,両首脳は,次官級2+2の開催を含む,新たな協力枠組みを立ち上げることについて,基本的な合意に至った。また,両首脳は,事務当局に対し,本件合意を踏まえ,日加間の協力を確認する共同文書を作成,公表すべく作業を加速させるよう指示した。この関連で,菅総理から,ハイチ地震発生後,国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)へ約350名の自衛隊部隊を派遣した旨述べ,カナダがハイチやアフガニスタンでPKO(国連平和維持活動:Peacekeeping Operations)等の分野で国際社会に対して貢献していることを評価している旨述べたのに対し,ハーパー首相からハイチを含む広範な分野での日本の貢献に感謝している旨述べた。
(3)日カナダ経済関係
 カナダ産牛肉輸入問題についてハーパー首相から提起があり,菅総理から,日加間の経済案件についても,対話を通じてマネージしていきたい旨述べた。

2.G8・G20サミット

 ハーパー首相から,G8・G20サミットでのカナダのイニシアチブに対する日本の支持に感謝する旨述べたのに対し,菅総理から,この関連で,財政再建について,我が国は,財政健全化に向けた「財政運営戦略」及び日本経済の成長に向けた「新成長戦略」を最近まとめて発表しており,これらに沿って,成長の促進と財政健全化の両立を目指すことを説明した。また,菅総理から,MDGs(ミレニアム開発目標:Millennium Development Goals)の達成に向けてカナダの母子保健にかかるイニシアチブを評価したのに対し,ハーパー首相からも日本の母子保健に対する引き続きの貢献に対して謝意が表明された。

3.北朝鮮問題

 菅総理から,韓国哨戒艦沈没事件における北朝鮮の行為は我が国を含む地域の平和と安定に対する脅威であり,国際社会で韓国を支持していくことが重要である旨述べたのに対し,ハーパー首相から日本の立場を良く理解している旨述べ,日加両国で連携・協力していくことを確認した。また,菅総理から,拉致問題についても,カナダの理解・協力を求めた。

4.結語

 最後に,両首脳は,11月にAPECで再会することを楽しみにしている旨述べ合った。

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