総理大臣

菅総理のフランス公式訪問

平成23年5月26日

 25日(水曜日),菅内閣総理大臣はフランスを公式訪問しました。日本の総理の仏訪問は4年ぶりであり、今次公式訪問は、ニコラ・サルコジ大統領(H.E. Mr. Nicolas Sarkozy, President of the French Republic)からの招待を受ける形で実現したものです。菅総理大臣は、フランス滞在中、午前11時35分から廃兵院(Les Invalides)における公式歓迎行事に参加し、午後0時よりフランソワ・フィヨン首相(H.E.Mr.François Fillon, Prime Minister of the French Republic)と約50分間会談を行った後、午後1時よりサルコジ大統領とワーキング・ランチ形式の首脳会談を約60分間行いました。

  1. 菅総理とサルコジ大統領との首脳会談の概要は以下の通りです。

    1. (1)冒頭、サルコジ大統領より、震災を受けた日本国民への連帯と支援が表明されました。これに対し菅総理より、議長国フランスの采配により、明日から始まるG8ドーヴィル・サミットの場で、日本との連帯を議題として、冒頭発言の機会をいただいたことにつき謝意が表明されました。また、今次菅総理の訪仏を、日仏二国間関係の更なる飛躍の機会とすべく、両国外相間の戦略対話の立ち上げとともに、日仏情報保護協定の正式交渉開始につき、両首脳間で合意しました。
    2. (2)原子力安全等に関し、菅総理より、日本として世界最高水準を目指すと同時に、原発事故の原因を徹底的に検証し、情報と教訓を国際社会と共有し、国際的議論を先導していきたい旨発言するとともに、今後のエネルギー政策に関し、原子力と化石燃料に加え、再生可能エネルギーと省エネを加えてエネルギー4本柱として推進していきたい旨発言がありました。また、福島原発に関し、菅総理より、国際社会の協力を得ながら、事態の収束及び安定化に向けて努力していることを説明し、高濃度汚染水処理に係るフランスからの支援に対す謝意が表明されました。また、復活・再生の鍵は経済であり、日本からの輸出の安全管理は徹底しているので、貿易を円滑に行えるよう協力を要請しました。以上に対し、サルコジ大統領より、エネルギー供給における原子力の重要性を指摘しつつ、原子力の安全基準の向上のために日本と協力していきたい旨発言がありました。
    3. (3)日EU・EPA交渉につき、菅総理より、日仏関係強化や、日本経済の復興にも資するという点で前進させたい旨発言したところ、サルコジ大統領より、フランスは日本とのEPAを望んでいるが、日本側にも仏産牛肉輸入、非関税障壁等の面で更なる取組を求める旨発言がありました。
    4. (4)安保理改革については、日仏両首脳ともに本件を前進させたい方向で意見が一致し、菅総理より、具体的な提案を各国に働きかけるに当たってのフランスによる協力を要請したところ、サルコジ大統領より、前向きな反応が得られました。その他、日中関係、北朝鮮問題をはじめとする東アジア情勢や、G20における日仏間の協力の可能性について両首脳で議論が行われました。
  2. サルコジ大統領との首脳会談に先立って行われた菅総理とフィヨン首相との会談内容については、上記1.と重なる部分が多いものの、それ以外のやりとり概要は以下の通りです。

    1. (1)菅総理より、フィヨン首相に対し、震災の際に同首相が在仏日本国大使館を訪問して在留邦人にお見舞い、激励いただいたことに対し謝意を表明しました。
    2. (2)フィヨン首相より、今秋に訪日したいとの意向が示されたところ、菅総理より、歓迎したい旨回答しました。
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