総理大臣

日加首脳会談の概要

平成23年5月26日

  • (写真)カナダ・ハーバー首相と握手する菅総理
    (写真提供:内閣広報室)

 G8ドーヴィル首脳会議出席のためフランスを訪問中の菅総理は,現地時間26日午前10時45分(日本時間26日17時45分)から約30分間,ハー パー・カナダ首相との間で日加首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおり(日本側:福山官房副長官,河相官房副長官補,別所外務審議官ほか,カナダ側:ベアード外相,ライト首相首席補佐官,キャリエール外交国防担当首相顧問,スーダス首相府広報課長,マクグイガン首相府外交・環境・エネルギー安全保障担当政策アドバイザーほか同席)。

1.冒頭発言

 菅総理から,先般のカナダ下院総選挙において,ハーパー首相の率いる保守党の勝利及びハーパー首相の再任を祝し,日本をはじめとするアジア重視のハーパー政権の再任は日本にとっても心強い旨述べたのに対し,先方より,祝辞を謝し,日加関係の一層の強化につき緊密に協力していきたい旨述べた。

 菅総理から,東日本大震災に関し,ハーパー首相からのお見舞いの言葉に加え,カナダから毛布,サーベイメーターの支援を頂いたことにつき謝意を表明したところ,ハーパー首相からは改めてお見舞いと連帯の意を述べるとともに,カナダとしてできることがあれば支援を行いたい旨述べた。

2.日加関係

(1)日加間の経済連携

 ハーパー首相から,日加EPAに向けた進展を歓迎する,できる限り早く共同研究を完了させたい旨述べたのに対し,菅総理からは,震災という予期せぬ事態が起こって遅れているが,我が国としては,基本姿勢は変わっておらず,震災前から掲げていた改革を推進すべく,先週「政策推進指針」を閣議決定した旨説明し,日加EPAについては,大震災からの復旧・復興を勘案しつつ,共同研究をできるだけ早く終了させたい旨述べた。

(2)政治・平和及び安全保障協力

 菅総理から,昨年の横浜APECで署名した政治・平和及び安全保障分野に関する新たな協力枠組みの文書に基づき,同分野での協力関係を拡充・発展させていきたい旨述べたところ,ハーパー首相から同分野で協力を進めるのを楽しみにしている旨述べた。

(3)日本産食品の輸入関連措置

 菅総理から,日本産の食品について,円滑な輸入の実施のために,引き続き科学的データに基づいた対応をお願いしたい旨述べたところ,ハーパー首相より,新たな検査結果等の情報を頂ければ検討し,科学的根拠に基づいた対応をとっていきたい旨述べた。

(4)カナダ産牛肉輸入条件問題

 ハーパー首相から,カナダ産牛肉の輸入条件緩和について要請があり,菅総理から,カナダ側の要望は充分に承知しており,双方が受入れ可能な解決に向け,議論を継続していきたい旨述べた。

3.原発事故・原子力安全

 菅総理から,福島第一原発事故については,総力を挙げ事態収束に向けて努力しており,原子力安全強化に向けてカナダとも協力していきたい旨述べ,原子力については,今般の事故の徹底的な検証を踏まえ,より一層の安全性を確保する中で活用をしていく旨述べたところ,ハーパー首相より,日本の取り組みを評価する旨述べた。

4.子の親権(ハーグ条約)

 菅総理より,ハーグ条約については,20日の閣議で締結に向けた準備を進めることにつき政府として決定した旨述べたところ,ハーパー首相から,カナダとしても経験を共有していきたい旨述べた。


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