
首脳声明「21世紀におけるアジア太平洋の連繋のための新たな成長パラダイム」(骨子)
平成21年11月15日
(仮訳はこちら)
(英文はこちら(PDF)
)
【序文】
- 21世紀の世界経済のニーズに対応する地域の新たな成長パラダイムを策定。
- 雇用を創出し、人々が恩恵を得るような持続的な回復を確保するため、均衡があって、あまねく広がり、かつ持続可能な成長を追求。
- 2010年にドーハ・ラウンドを妥結するよう努力し、あらゆる形態の保護主義を拒否。
【新たな成長パラダイム】
- 強固で持続可能かつ均衡ある成長のためのG20の目標を承認。同目標の達成に必要なモメンタムを与える上で、世界で経済的に最も活発であり、世界の貿易と生産の半分を占めるAPECは、格好の立場にある。
(均衡ある成長)
- 強固で持続的な経済成長には、世界的な不均衡を徐々に解消し、各エコノミーの潜在的生産力を高めるための構造改革が必要。
- 財政、金融、貿易等の政策が持続可能かつ均衡ある成長を促すものとなることを確実にする。
- 投資や技術革新のための環境を強化。実体経済に役立つ金融市場を強化。
- これらの目標の達成に向け、国際金融機関や多国間開発銀行と緊密に協力。
(あまねく広がる成長)
- 「あまねくひろがる成長」を達成するため、経済的機会へのアクセスを拡げ、最も脆弱な層の経済的衝撃に対する強靭性を築く。これは、自由で開かれた市場への共感も強化する。
- 中小企業及び女性企業家が世界の市場と資金により良いアクセスを得られるよう支援。
- 労働者の再訓練、技術向上、国内における労働の移動を促進。
- 良質の仕事に就くための個人の能力を高めるための基盤としての教育に投資。
- 短期的支援を与え、長期的な依存を防ぐ、ソーシャル・セーフティ・ネットを構築。
(持続可能な成長)
- 今後の成長は、環境を保全し、気候変動を軽減する世界的な努力と合致することが必要。気候変動への取組も、国際的な貿易上の義務に適合することが必要。
- ラクイラの主要経済国フォーラム(MEF)首脳宣言及びピッツバーグのG20首脳声明を歓迎。気候変動の脅威に取り組み、国連気候変動条約枠組(UNFCCC)の目的、規定及び原則の下でコペンハーゲンでの野心的な成果に向け努力するとのコミットメントを再確認。
- 環境物品・サービス(EGS)に関する貿易・投資への障壁を削減する方法を検討。EGS貿易に対する新たな障壁は設けない。
- 中長期的に、化石燃料に対する補助金を合理化し、段階的に廃止。
- エネルギー効率化を高める上での優良事例と技術を共有して、エネルギー効率化に関するAPEC内での相互評価を実施。
【アジア太平洋の連繋】
- 貿易自由化、ビジネス環境の改善及び域内の供給網の連繋の強化を組み合わせ、21世紀の経済統合モデルに向けて総合的にアプローチしていく。
(貿易自由化)
- アジア太平洋の自由貿易圏(FTAAP)に向けた基礎作業の検討を継続。
- より開かれたサービス市場のための原則を定め、具体的なサービス部門における貿易を促進するためのAPECサービス・イニシアティブを前進させる。
(ビジネス環境改善)
- ビジネス環境改善行動計画は、規制上の障害を減少させる取組の重要な要素。
- 2015年までに起業、資金調達、契約履行、許可取得等にかかる費用、時間、手続を25%削減することを目指す。
(供給網の連繋の強化)
- 地域におけるモノ、サービス及びビジネスマンの円滑な流通・移動を促進するため、陸海空の交通網の多様な連繋を強化する方途について検討。