平成21年7月9日
7月9日、麻生総理大臣は、G8サミット出席のため訪問中のラクイラ(イタリア)において、メドヴェージェフ・ロシア大統領と会談したところ、結果概要以下のとおり。
●2月のサハリンでの首脳会談に続き、ロシアとの間でアジア太平洋地域における戦略的に重要なパートナーとしての関係を構築するための話合いを行った。
●領土問題については、メドヴェージェフ大統領から北方四島の帰属の問題に関する大統領自身の考え方について包括的な説明があった。ロシア側の説明は、残念ながら、日本側にとって満足のゆくものではないが、両首脳が以下の点で一致できたことは有意義であった。
(イ)ロシア側には、引き続き、独創的なアプローチの下で、あらゆるオプションを検討していく用意があること。
(ロ)その上で、双方は、これまでに達成された諸合意・諸文書に基づき、引き続き、双方に受入れ可能な解決策を模索していくこと。
(ハ)そのために両首脳が、解決策を見出すよう作業を加速・強化させるべく指示を出すこと。
(ニ)これらの作業において、事務レベルのみならず、電話会談等を含め首脳レベルでも話し合う必要があること。
●アジア太平洋地域における安全保障問題について議論を開始する目的で、日米露3極の専門家による会議を立ち上げることで一致が得られ、今後、関係政府と調整しつつ、第一回会合の早期開催に向けて事務的に進めていくことを確認。
(1)今回の会談では、2月のサハリンでの首脳会談に続き、ロシアとの間でアジア太平洋地域における戦略的に重要なパートナーとしての関係を構築するための話合いが行われた。特に、今回の会談は、立ち話及び電話会談を含め、麻生総理とメドヴェージェフ大統領との7回目の会談となったが、非常に率直なやりとりが行われた。
(2)今回の会談では、2月のサハリンでの首脳会談のやりとりを踏まえ、領土問題を中心に少人数で議論が行われた。
(3)会談において、両首脳は本日の会談のやりとりを踏まえ、引き続き首脳レベルの話合いを緊密に行っていくことで一致した。
(1)メドヴェージェフ大統領から北方四島の帰属の問題に関する大統領自身の考え方について、包括的な説明があった。
(2)ロシア側の説明は、残念ながら、日本側にとって満足のゆくものではないが、両首脳が以下の点で一致できたことは有意義であった。
(イ)ロシア側には、引き続き、独創的なアプローチの下で、あらゆるオプションを検討していく用意があること。
(ロ)その上で、双方は、これまでに達成された諸合意・諸文書に基づき、引き続き、双方に受入れ可能な解決策を模索していくこと。
(ハ)そのために両首脳が、解決策を見出すよう作業を加速・強化させるべく指示を出すこと。
(ニ)これらの作業において、事務レベルのみならず、電話会談等を含め首脳レベルでも話し合う必要があること。
(3)
(イ)メドヴェージェフ大統領からは、「この問題の解決は政治的性格を有するものであり、政治的決断がなければ解決できない」、「麻生総理との個人的な関係に基づく相互理解、パートナーシップが存在しており、この解決を探求するために建設的な形で話し合う用意がある」、「リマでも申し上げたとおり、現世代が生きている間にこの問題を解決することが大事であり、そのために独創的なアプローチが必要である」等の発言が見られた。これらの発言は、同大統領なりに何とか領土問題を解決したいとの真摯な姿勢の表れと受け止めている。
(ロ)同時に、メドヴェージェフ大統領よりは、北特法の改正等をめぐる双方の議会での動きに言及があり、話合いを行っていく上での静かな環境の必要性について強調していた。
(4)麻生総理からは、日本側として、ロシア側に平和条約問題について具体的な進展を図る用意がないのであれば、アジア太平洋地域におけるパートナーとしての関係を構築することにはならないという考えに変わりはないという点について、今回の会談でも改めてロシア側に伝えた。
(1)メドヴェージェフ大統領がこれまでに、露日関係はアジア太平洋地域における安定と安全の確保にとり重要な要因であると述べていることを受け、この地域の安全保障問題についても議論を深めていくことで一致した。
(2)その上で、両首脳は、アジア太平洋地域における安全保障問題について議論を開始する目的で、まずは、日米露3極の専門家による会議を立ち上げることで一致が得られ、今後、関係政府と調整しつつ、第一回会合の早期開催に向けて事務的に進めていくことを確認した。
(3)本件会議は、アジア太平洋地域における安全保障について、日米露三極の然るべき専門家が、政府の政策策定に資するような自由かつ率直な議論を行うことを目的としている。
両首脳は、交渉を通じて朝鮮半島の検証可能な非核化を実現すべく、引き続き緊密に連携していくことを確認した。