平成21年4月3日
4月2日(木曜日)午後17時45分(現地時間)から約55分間、第2回金融・世界経済に関する首脳会議に出席するためロンドンを訪問中の麻生総理大臣は、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長との間で会談を行ったところ、概要以下のとおりです。
潘事務総長より、金融危機にあたり途上国への資金の流れが大事である旨述べました。
麻生総理からは、各国がそれぞれのODAコミットメントを着実に実施し、ミレニアム開発目標(MDGs)を後退させないことが極めて重要であり、今般の首脳コミュニケにおいて、こうした点につき力強いメッセージを発出できたことは大きな成果である旨述べました。また、日本としても、今次サミットで表明したとおり、(イ)アジアを中心とした220億ドルの貿易金融支援、(ロ)アジア支援策として最大2兆円(約200億ドル)規模のODA、(ハ)アフリカへの支援、を含め、自らのコミットメントを着実に履行していく旨述べました。
これに対し、潘事務総長より、日本のイニシアティブを高く評価するとの発言がありました。
麻生総理より、北朝鮮によるミサイル発射は地域の平和と安定を損なうものであり、安保理決議違反であって容認できない旨述べるとともに、北朝鮮がミサイル発射を強行する場合には、安保理で決議の可能性を念頭に強いメッセージを発信したく、事務総長にも毅然とした態度を示すことを要請しました。
これに対し、潘事務総長からは、北朝鮮によるミサイルないし人工衛星の発射は全く望ましいものではなく、不必要な緊張を作り出すものである、国連としても懸念を有しており、自分としてもこれまでこうした考えを何度か明らかにしている、北朝鮮が関連する安保理決議に従うとともに、六者会合に復帰することを期待するとの発言がありました。
潘事務総長より、気候変動問題に関する次期枠組み作りについて、本年末までの交渉妥結のためには、政治的リーダーシップが重要である、そのためにも本年9月22日には首脳級会議を開催する予定であり、日本の指導的な役割を期待しているとの発言がありました。
これに対し、麻生総理より、地球温暖化問題の解決のためには、米・中・印をはじめとするすべての主要経済国が責任ある形で参加する枠組みの構築が必須であり、事務総長とも、引き続きよく協力していきたい旨述べました。
麻生総理より、効率的・効果的な国連の実現、特に安保理改革の早期実現が急務であり、本年2月に政府間交渉が始まったことから、潘事務総長の理解と協力も得つつ、早期に改革を実現したい旨述べました。
これに対し、潘事務総長は、安保理改革に向けた政治環境には進歩が見られる、事務総長として安保理改革に向けた対話や協議を促進していきたい旨述べました。
ハイチ、ソマリア、パキスタン・アフガニスタン情勢についても話し合われました。