平成20年10月24日
麻生総理は、ホテル・グランドハイアットにおいて、14時25分から15時05分まで、メルケル首相と日独首脳会談を行った。
会談においては、国際金融危機や世界経済の問題につき、時間を割いて議論が行われた。
(1)麻生総理より、アジア経済の現状についての見方、すなわち、金融面での問題については欧米諸国ほど状況は厳しくはないが、実体経済への影響が及びつつあることが懸念される、との見方を述べた。これに対し、メルケル首相からも、現下の状況の実体経済への影響を懸念するとの見方が示された。
(2)麻生総理より、90年代の日本の経験につき触れ、公的資本投入の必要性は、ブッシュ大統領に対しかねてから進言等していたことなどを紹介し、メルケル首相は興味深く聞いていた。
(3)また、双方の間で、1920年代の株価下落の際に各国が関税引き上げ、通貨切り下げ等の措置を執ったことがその後の大恐慌を招いたとの歴史に触れ、現在のような状況下にあっても、自国の利益のみを考える政策は採るべきではない、という点で意見の一致がみられた。