総理大臣

日・インドネシア首脳会談(概要)

平成25年1月18日

  • (写真)日・インドネシア首脳会談-1
  • (写真)日・インドネシア首脳会談-2

(写真提供:内閣広報室)

 インドネシアを公式訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,18日(金曜日)15時20分(日本時間17時20分)から約1時間,ムルデカ宮殿において,スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領H.E. Dr. Susilo Bambang Yudhoyono, President of the Republic of Indonesia)との間で日・インドネシア首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,安倍総理は,首脳会談に先立って行われた歓迎式典に出席したほか,首脳会談終了後,ユドヨノ大統領と共に共同記者会見を行いました。

1.冒頭発言

  1. (1)ユドヨノ大統領から,安倍総理が就任後初の外国訪問でインドネシアを訪問したことに歓迎の意を示すとともに,安倍総理と力を合わせて二国間関係を更なる高みに引き上げるべく協力したい旨述べました。
  2. (2)安倍総理から,今回のジャカルタでの豪雨による洪水被害に対し,お見舞いの意を表明するとともに,日本政府として必要な支援及び協力を行う用意がある旨を伝達しました。
  3. (3)安倍総理から,今般のアルジェリアで発生したテロ集団による人質事件について取り上げ,両首脳は,このような卑劣なテロ行為によって多数の犠牲者が出たことは断じて許されないことであり,強く非難されるべきであることにつき完全に一致しました。
  4. (4)安倍総理から,アジア太平洋地域の戦略環境が大きく変化する中で,地域の平和と繁栄を確保していくため,ASEAN各国,特にインドネシアとの協力関係を重視している旨述べ,今次訪問の意義を説明しました。

2.対ASEAN外交5原則

 安倍総理から,以下の日本の対ASEAN外交5原則について簡潔に説明し,ユドヨノ大統領から歓迎の意が表されました。

  1. (1)第一に,ASEAN諸国と共に,自由,民主主義,基本的人権等の普遍的価値の定着及び拡大に共に努力をしていくこと。
  2. (2)第二に,「力」でなく「法」が支配する自由で開かれた海洋は「公共財」であり,これをASEAN諸国と共に全力で守り,米国のアジア重視を歓迎すること。
  3. (3)第三に,様々な経済連携のネットワークを通じ,モノ,カネ,ヒト,サービスなど貿易及び投資の流れを一層進め,日本経済の再生につなげ,ASEAN各国と共に繁栄すること。
  4. (4)第四に,アジアの多様な文化・伝統を共に守り,育てていくこと。
  5. (5)第五に,未来を担う若い世代の交流を更に活発に行い,相互理解を促進すること。

3.二国間関係

  1. (1)両首脳は,本年の日・インドネシア国交樹立55周年を契機として,3つの分野,すなわち,(1)経済,(2)政治・安全保障,(3)交流の各分野における協力を推進し,両国の「戦略的パートナーシップ」を一層強化していくことで一致しました。
  2. (2)このうち,経済分野での協力については,安倍総理から,インドネシアの発展は地域経済の牽引力であり,日本経済の再生にとっても重要である旨指摘し,インドネシアによる適切なマクロ経済政策や投資環境整備への期待を示しました。また,両首脳は,ジャカルタ首都圏のインフラ整備に関し,両国で合意した「MPA戦略プラン」の迅速かつ円滑な実施に向けて協力を進めていくことで一致しました。
  3. (3)政治・安全保障分野での協力については,首脳・外相間の頻繁な対話を通じて意思疎通を図っていくことで一致したほか,地域の民主化支援,対パレスチナ三角協力,防衛当局間の協力などを着実に進めていくことを確認しました。
  4. (4)交流分野については,安倍総理から,「JENESYS2.0」として,ASEANを含むアジア大洋州の各国との間で新たに3万人規模の青少年交流を実施する旨述べ,ユドヨノ大統領から歓迎の意が表されました。

4.地域情勢

  1. (1)安倍総理から,2015年のASEAN共同体の構築を日本は積極的に後押ししていく旨を伝達し,両首脳は,日・ASEAN友好協力40周年を契機として協力を更に推進していくことで一致しました。
  2. (2)安倍総理から,日中関係は日本にとって最も重要な二国間関係の一つであり,地域の責任ある国として,日本は引き続き冷静に対応し,中国との意思疎通を維持・強化して日中関係をマネージしていくとの基本的姿勢につき説明しました。
  3. (3)東アジア首脳会議(EAS)については,安倍総理から,地域の政治・安全保障問題を首脳レベルで議論する主要なフォーラムに育てたい旨述べ,両首脳は,本年のEASで良い成果を上げることができるよう,ASEAN議長国であるブルネイを共に支えていくことで一致しました。
  4. (4)南シナ海問題については,両首脳は,全ての関係国が国連海洋法条約(UNCLOS)等の関連国際法を遵守し,平和的に解決すべきであるとの認識で一致しました。
  5. (5)北朝鮮情勢については,昨年12月のミサイル発射は安保理決議の明白な違反であり,極めて遺憾であるとの点で一致しました。また,日本人拉致問題について,安倍総理から,日本の立場への理解と支持を改めて要請し,ユドヨノ大統領の理解を得ました。

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