平成19年4月29日
安倍総理は、4月28日午後1時過ぎ、サウジアラビアのリヤド空軍基地に到着し、29日8時30分頃同地を発ち、次の訪問国であるアラブ首長国連邦へと向かった。サウジアラビア訪問中の各行事の概要は次のとおり。
リヤド空軍基地では、スルタン皇太子に出迎えられ、午後1時過ぎから約15分間程度歓談を行った。スルタン皇太子からは、サウジ政府、国民をあげて安倍総理の来訪を歓迎する旨の発言があった。
(1)安倍総理は、リヤド空軍基地からスルタン皇太子とともに直接皇太子府に向かい、同皇太子主催午餐会に出席した。午餐会は、午後1時50分から約50分間行われた。
(2)午餐会は極めて和やかな雰囲気の中行われた。午餐会では、2006年4月のスルタン皇太子の来日以降の二国間関係の更なる発展につき話し合われた。安倍総理は、日・サウジ関係は重層的な関係である旨述べ、スルタン皇太子からは安倍総理の発言に同意する旨の発言があった。
(3)また、日・GCC・FTA交渉や日・サウジ投資協定の進捗、日・サウジ航空協定の実質合意について話し合われたほか、エネルギー分野での関係強化の方途についても意見交換が行われた。また、安倍総理は、日本はサウジに対して産業協力・人材育成を推進していく旨述べ、スルタン皇太子からは、人材育成を重視しているとの安倍総理の言葉に勇気付けられた旨、大規模な経済ミッションの歓迎を心から歓迎する、日本からの更なる投資に期待する旨の発言があった。
(1)安倍総理は、午後4時から約日本・サウジアラビア・ビジネス・フォーラムに出席し、挨拶を行った。
(2)挨拶において、安倍総理は、近年のサウジ経済の発展ぶりに言及しつつ、近年の日・サウジ間経済関係の発展について述べ、今回の大規模な経済ミッションの訪問が両国間経済関係の更なる深化と多様化に向けた起爆剤となることを期待する旨述べた。
(3)また、イスラム世界と日本が、お互いの歴史と文化に対する理解と敬意を深めることが重要である旨述べつつ、「日本・中東新時代」を築くため、留学生交流や文化交流を拡大し、石油関係に止まらない重層的な日・サウジ関係を構築したい旨述べた。
(1)安倍総理は、午後4時50分頃から約35分間、松浦日本人会会長ほか在留邦人の代表の方々と懇談を行った。
(2)懇談においては、在留邦人の方々から、サウジアラビアでの生活や体験談について紹介があり、安倍総理からは、日・サウジ関係の発展のためにも引き続き頑張ってほしい旨述べた。
(1)安倍総理は、午後9時35分から約40分間、アブドッラー国王主催晩餐会に出席した。
(2)晩餐会は、極めて友好的な雰囲気の中行われた。晩餐会では、安倍総理から、貴国王と4年ぶりにお会いできて光栄である旨述べつつ、二国間関係について意見交換を行った。安倍総理から、アブドッラー国王の訪日を招請し、アブドッラー国王からは、都合が付けば是非日本に行きたいとの発言があった。
(3)安倍総理は、晩餐会の後約40分間、アブドッラー国王と会談を行った。会談において、安倍総理から、二国間関係の更なる深化に向けた共同声明を発出できることは喜ばしい旨述べつつ、重層的関係の構築に向け更なる努力を行っていきたい旨述べ、アブドッラー国王からは、サウジは日本との関係を非常に重視しており、更なる関係強化を図っていくことは、両国のみならずアジア・中東地域全体にとって意義深い旨の発言があった。また、エネルギー関係を含む経済関係強化のための方途についても意見交換が行われた。
(4)会談においては、中東地域情勢を始めとする国際情勢についても議論が行われた。アブドッラー国王からは、中東地域の安定化のためのサウジの外交努力について説明があった。安倍総理は、アブドッラー国王の外交努力に敬意を表しつつ、中東地域の平和と安定のためにはサウジの積極的・建設的な役割が極めて重要である旨述べた。