平成19年8月21日
8月21日(火曜日)、御手洗日本経団連会長他経済ミッション団員85名が日印両首脳へ表敬を行ったところ、概要以下の通り(インド側はチダンバラム財務大臣、ナート商工大臣、その他政府高官も同席。於:ビギャン・バワン)。
1.冒頭、御手洗会長より、以下の通り述べた。
今般、安倍総理のインド訪問に併せて、200名近くの経済ミッションが参加したことは、わが国経済界のインドに対する強い熱意の表れ。日印両政府が交渉を重ねている経済連携協定(EPA)について、日本の経済界としては、使い勝手の良い原産地規則等の整備を含む、質の高い、包括的なEPA締結、「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」、「インド幹線貨物鉄道輸送力強化計画」等のインフラ整備措置を期待。
2.安倍総理より概要以下の通り述べた。
インド訪問は2年半ぶりだが、この間にインドが力強い経済発展を続けていることを早くも実感して、大変嬉しい。シン首相が就任されてからの過去3年の間に、貿易額は2倍、投資額は4倍に増加し、日印関係は飛躍的に発展。日印経済関係を更に強化するため、日本政府としても、インド政府と協力して、質の高いEPA交渉の早期妥結、ODAを活用したインドのインフラ整備、製造業の育成支援等、日印双方の民間企業にとって利益となる施策に取り組んでいく。
3.シン首相より以下の通り述べた。
日印経済関係には補完性があって、また潜在性も非常に高い。更なる貿易・投資関係の拡大に向けて、日本企業から提言を受けたい。インド企業としても、日本企業の環境に優しい技術開発等、いろいろな面を学んでいく必要がある。
4.その後、経済ミッション団員からの質問に答えて、概要以下のやりとりがあった。
米倉住友化学社長より、税制簡素化等の貿易・投資環境の改善についてどう考えるかと質問したところ、シン首相からは、インフラ未整備や官僚主義の打破等を優先的に取り組んでいる。税制については、事前に投資家に適切な情報提供を行うよう努力をしているとの説明があった。また、ナート商工大臣からは、日本の対印投資は増加しており、本年の第1四半期には日本は投資額で2番目の国となっている、また、更なる投資の拡大には中小企業からの投資も必要であるが、現在の傾向を踏まえれば、今後3年間で50億ドルの対印投資を達成することも可能であると考えている旨述べた。
大橋全日空会長より、EPAの早期締結についてインド側の対応如何と質問したところ、ナート商工大臣より、9月に第4回目の交渉を行う予定。日印共にEPAを重視しているので、早期に合意に至りたい旨述べた。
三村新日鐵社長より、環境問題についてのインドの取組を説明頂きたいと質問したところ、シン首相から、インドとしても環境に関する国際的懸念を共有している。安倍総理の「Cool Earth 50」の提案を評価している。一方、国連枠組が本件に対処する適切な場であり、またインドの1人あたり温室効果排出ガス量は、途上国においても少ないとのインド側立場を説明した。