平成19年6月6日
G8ハイリゲンダム・サミットに出席するためドイツを訪問中の安倍総理は、6日、現地時間14時35分から約50分間、ブッシュ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。
(日本側は、下村官房副長官、薮中外務審議官、河野外務審議官他、米側は、ボルテン大統領首席補佐官、ハドレー国家安全保障担当大統領補佐官、ネグロポンテ国務副長官他が同席。)
なお、両首脳にとって、本年になってから、電話会談4回を含め、6回目の会談であり、お互いをファーストネームで呼び合うなど、より親密感が増したやりとりを行った。
安倍総理より、今後ともブッシュ大統領との様々な対話を積み重ね、「かけがえのない日米同盟」を強化していく旨述べ、ブッシュ大統領もいつでもどこでも会談に応じると述べた。
安倍総理は、気候変動に関するブッシュ大統領のイニシアティブを高く評価するとともに、我が国の提案を説明した。ブッシュ大統領より、中国やインドを含めた枠組みを構築していくことの重要性、省エネ、技術革新等の重要性について言及があった。両首脳は、実効性のある国際的枠組みの構築に向け、ハイリゲンダム・サミットにおいて前向きな成果が得られるよう日米間でも協力し、来年の北海道洞爺湖サミットで大きな成果を目指すことで一致した。
安倍総理より、北朝鮮問題について、現下の問題は、北朝鮮の不誠実な対応にあり、拉致問題についても北朝鮮は何ら誠意ある対応を示しておらず、極めて遺憾であると述べ、両首脳は忍耐にも限界があることで一致した。ブッシュ大統領より、テロ支援国家指定解除問題を含む拉致問題についても、日本の立場を支持することにつき改めて確認があった。サミットの議長総括では、北朝鮮に対する強いメッセージを出す必要があることで一致し、今後の対応につき、引き続き緊密に協議し連携することとなった。
両首脳は、5月のARF・SOMに際し、日米豪印の対話が高級事務レベルで開始されたことを歓迎した。
両首脳は、日米間で引き続き緊密に協力していくことで一致した。
安倍総理より、我が国は、今年度の対パキスタン支援を大幅に増加させることを検討中である旨伝えた。両首脳は、特に、テロとの闘いの最前線であり、アフガニスタンとの国境にある、FATA(連邦直轄部族地域)に対する支援の実施に関し、今後の協力のあり方や連携の方途について当局間で協議させることで一致した。
安倍総理より、イラク特措法の2年延長改正法案は、既に衆議院を通過し、現在参議院にて審議中であり、今国会で成立させたい旨説明し、ブッシュ大統領より謝意が表された。
ドーハ・ラウンドがブレークスルーに向けて大きな山場を迎えている中、両首脳は、ラウンドの妥結に向けて緊密に協力してくことで一致した。
ブッシュ大統領から一言言及があり、安倍総理より、国民の食の安全を大前提に科学に基づいて対応していく、輸入条件の見直しには食品安全委員会への諮問が必要である旨説明した。