15日開催されたトリビオン・パラオ新大統領就任式典に我が国政府は、森喜朗特派大使(元総理)を派遣したところ、その概要と評価は以下のとおり。
(1)森特派大使のパラオ訪問
森特派大使は、15日午前大統領就任式典及び、同日夜の公式晩餐会に出席したほか、同日午後にトリビオン新大統領との二国間会談、ナカムラ元パラオ大統領との意見交換等の日程と共に、地元TVメディアによるインタビューにも応じる等、極めてタイトな日程をこなされた。
(2)グアム及びパラオにおける戦没者慰霊碑等への献花
また、森特派大使は、パラオ訪問の途次立ち寄ったグアム島においてアガット上陸戦慰霊碑に、またパラオにおいて旧海軍墓地で献花を行った。
一連の森特派大使の日程を通じ、以下の点で日・パラオ関係、日・太平洋島嶼国関係等の一層の強化を図ることができた。
(1)我が国のパラオ重視の姿勢をアピール
今回の式典に参加した各国要人の中で、森特派大使は隣国であるミクロネシア連邦が現職であるモリ大統領を派遣したことを除けば最も高いランクの外国賓客であり、域外国では最高位の出席者であった。これは、我が国の対パラオ外交重視の姿勢を、パラオとの関係はもとより、他の各国との関係でも強く印象付けることとなった。
内容面では、森特派大使より、明年度の予算要求でパラオ大使館を格上げすることを日本政府として進めている旨、機会を捉え言及頂いた(なお、トリビオン大統領は、就任演説において日本パラオ友好橋を日本の支援の象徴として言及)。
(2)我が国の太平洋島嶼国外交重視姿勢をアピール
今回森特派大使は、出席したモリ・ミクロネシア連邦大統領、デブルム・マーシャル諸島共和国外相をはじめとする式典参加各国との意見交換を行った。日本政府としては、この地域全体と深い関わりを持つ森特派大使を派遣することで、本年5月の第5回太平洋・島サミットに向けた太平洋島嶼国外交における日本の存在感を示すことが可能となった。