8月29日(日曜日)午前9時(日本時間同10時)から約1時間、岡田外務大臣をはじめとする第3回日中ハイレベル経済対話の日本側出席者が温家宝・中国国務院総理を表敬したところ、概要は以下のとおりです(日本側から、岡田外務大臣、野田財務大臣、山田農林水産大臣、直嶋経済産業大臣、小沢環境大臣、自見金融・郵政改革担当大臣、平岡内閣府副大臣、内藤総務副大臣、三日月国土交通副大臣、丹羽駐中国大使ほかが出席)。
- 温家宝総理から、日中ハイレベル経済対話が成功裏に行われたことを歓迎する、現在日中両国は主に、(1)金融危機への対応、(2)日中韓協力を含む地域協力の強化、(3)G20における協議と協調の各分野において戦略的経済協力を進めている、今次対話では幅広い共通認識と重要な成果を得たが、このことは両国経済のみならず地域及び世界の経済の安定や回復にとっても重要な意義をもつものである旨述べました。
- 岡田外務大臣からも日中ハイレベル経済対話において日中の主要な経済閣僚が年に1回集まり経済問題を議論すること、主要プレーヤーである日中が世界経済全般について意見交換と協調を行うことは極めて重要である旨述べた上で、日中関係について、温家宝総理訪日以降、東シナ海資源開発に関する国際約束締結交渉を始めいくつかの前進があった、経済問題に関してはレアアースの輸出規制、日系企業のビジネス環境改善(労働争議含む)について指摘しました。
- これに対して温家宝総理から、レアアースについてはかつて乱開発や密輸が行われた中で規制を始めているが輸出を停止することはない旨述べたのに対し、直嶋経済産業大臣から引き続き協議を進めたい旨述べました。また、ビジネス環境改善については、温家宝総理から、中国としては対外開放という大きな政策の中で絶えずビジネス環境を改善している、中国の法律に基づいて登記している外国企業は中国企業の一部として内国民待遇を与えている、労働争議は主に一部の外資系企業で発生しているが、その背景には賃金が相対的に低いという問題がある、この点について対応をお願いしたい旨述べました。
- また自見金融・郵政改革担当大臣から、中国における預貸率規制について指摘したところ、温家宝総理から、中国の日系企業が必要とする資金は必ず保証する、具体的な問題については金融当局間で協議したい旨述べました。
- 環境省エネ分野における協力について、温家宝総理から、同分野における協力は将来性のある分野であり、「唐山曹妃甸エコ工業パーク」については、政府主導の下、市場メカニズムに基づき民間が主体となって協力することが可能である旨述べたのに対して、日本側より日本側は「曹妃甸官民検討グループ」を立ち上げた旨述べました。