
第21回APEC閣僚会議共同声明
(骨子)
シンガポール
2009年11月11~12日
(仮訳)(英文(PDF)
)
- 「成長の持続と地域の関係強化」という2009年のテーマの下、地域が直面する主要課題について議論。
- 成長は、回復を後押しするものであること、イノベーションや知識集約型経済に支えられること、貿易・投資の自由化・円滑化を基礎とすること、あまねく広がる(inclusive)、均衡ある(balanced)かつ持続可能な(sustainable)ものであることが重要。APECは、他の国際的な枠組みとともに、こうした成長の基礎を築くために協働。
危機への対応、回復への体制準備
(あまねく広がる成長の促進)
- すべての人々が地域経済統合から得られる利益を享受する機会を創出する。そのために、中小企業の発展と労働市場の機能の向上、構造調整の促進に取り組む。また、ソーシャル・セーフティー・ネットに焦点を置き、「たくましい社会(social resilience)」の構築を強化する。
- 2010年に開催される、中国主催の人材養成大臣会合、日本主催の経済委員会ハイレベル政策ラウンドテーブル及び中小企業大臣会合に期待。
(持続可能な成長の促進)
- 気候変動は世界が直面している最大の課題の一つ。環境物品及びサービスへのアクセス向上、エネルギー効率向上等に焦点。
- 2010年に開催される日本主催のエネルギー大臣会合に留意。
多角的貿易体制に対する支援
- 保護主義の脅威を引き続き懸念。7月の貿易担当大臣会合での具体的なコミットメントを再確認。
- 2010年までにドーハ・ラウンドの野心的でバランスのとれた形での妥結を確保するため、政治的コミットメントを早期に具体化させる必要あり。11月のWTO閣僚会議は重要な機会。最終的なパッケージについて、現実的となり、また、最大限の柔軟性を発揮するよう、実務者に指示。
ボゴール目標に対するコミットメントの再確認
- 2010年までの先進エコノミーによる目標達成の評価のための作業計画を称賛。その評価結果を2010年の閣僚会合に報告するよう、実務者に指示。
アジア太平洋の自由貿易圏(FTAAP)に向けた基礎の探求
- FTAAP実現のためのあり得べき道筋について検討を前進させ、2010年の閣僚会議に進捗を報告するよう、実務者に指示。
地域経済統合の加速化
- APECの中心的な議題である地域経済統合を加速させる作業へのAPECのコミットメントを再確認。
(「国境における(at the border)」統合)
- 原産地規則をビジネスにとってより使いやすいものとするための取組、越境サービス貿易の円滑化の作業等を歓迎。
- 日本、豪州、カナダ、韓国、ニュージーランド、シンガポール及び米国による原産地自己証明の有志実施グループ(path finder)への参加を称賛。
(「国内措置による(behind the border)」統合)
- ビジネス環境改善、投資の円滑化、知的財産権の強化、基準・認証の強化・改善等の作業を歓迎。
(「国境をまたぐ(across the border)」統合)
- 運輸、物流、デジタル・コネクティビティの強化、貿易の円滑化及び安全確保、デジタル経済と情報ネットワークの強化等の取組を歓迎。ビジネス環境向上のための行動計画の優先分野の一つである資金調達において、日本が先導的役割(チャンピオン・エコノミー)を果たしていることを歓迎。
経済・技術協力の強化
- 各エコノミーにおける能力構築等のための経済・技術協力(ECOTECH)の進捗に留意。
- 日本、米国及びチャイニーズ・タイペイがエネルギー効率化に関する支援基金へ拠出したことを歓迎。
人間の安全保障の強化
- テロ対策、緊急事態への備え、食料安全保障、食品安全、保健といった分野での取組を歓迎。日本が、2010年に日本が緊急災害管理担当CEOフォーラムを開催し、また、食料安全保障の活動の再検討を主導することを歓迎。
ガバナンス及び透明性の向上
- 腐敗と闘い、ガバナンスを強化し、制度的統合を強化することに関するシンガポール宣言等を歓迎。
分野別イニシアティブの歓迎
- 中小企業、運輸、女性、観光、海洋資源及び漁業といった諸分野での取組を歓迎。
ビジネス界の関与
- APECビジネス諮問委員会(ABAC)の取組に謝意を表明。
APEC事務局の強化
- 初の任期付き事務局長の選出及び任命を歓迎。
- 2010年の日本会合の準備状況を歓迎。