中曽根外務大臣

日ベトナム外相会談(概要)

平成21年5月24日

(写真)


 ベトナムを訪問中の中曽根外務大臣は、24日(日曜日)現地時間午後4時(日本時間午後6時)から約45分間、キエム副首相兼外務大臣と外相会談を行ったところ、概要以下のとおり。

1.総論

 中曽根大臣より、先月のマイン書記長訪日は大成功であった、先週にはズン首相が訪日し、麻生総理との間で両国間の戦略的パートナーシップとして相応しい協力につき協議ができたのは有意義であった旨述べた。これに対しキエム副首相より、マイン書記長及びズン首相訪日は大成功であり、これにより両国間の戦略的パートナーシップが確認された、今次ASEM外相会議における日本の貢献を評価する旨述べた。

2.二国間関係

(1)日越協力委員会

 両大臣は、日越協力委員会が成功するよう、協力していくことで一致した。

(2)ベトナム若手外交官の外務省での研修

 中曽根大臣より、ベトナム若手外交官が日本の外務省で研修することは、相互信頼と連携強化を示すものであり、是非前向きに検討願いたい旨提案。キエム副首相は、日本の提案を歓迎。

3.日メコン協力

 中曽根大臣より、本年は日メコン交流年である、ズン首相から麻生総理に対し、本年後半に開催予定の日メコン首脳会議への出席を快諾頂いた、同会議においては、メコン地域開発の促進、日本とメコン地域の交流拡大等の今後の協力につき話し合いたく、成功に向けキエム副首相のご協力を得たい旨述べた。これに対しキエム副首相より、日メコン交流年を高く評価したい、日メコン首脳会議成功のため、できる限り協力していきたい旨述べた。

4.新型インフルエンザ対策

 キエム副首相より、日本の新型インフルエンザ対策を評価する旨述べた。これに対し中曽根大臣より、国際的協調と情報共有が重要であり、感染拡大防止に向けベトナムとも協力していきたい、ASEMの枠組みで50万人分の抗ウイルス薬を備蓄する新型インフルエンザ対策事業を行う、ベトナムには共同提案国になっていただき、また開催式典についてもご協力いただき感謝している旨述べた。

5.北朝鮮

 中曽根大臣より、北朝鮮の先のミサイル発射の際の安保理議長声明を受け、北朝鮮は強く反発しているが、我々として六者会合の扉を閉ざす考えはなく、北朝鮮が建設的な対応をとることを期待する、ベトナムの支援と協力をお願いしたい旨述べたのに対し、キエム副首相より、ベトナムは朝鮮半島の平和、安定及び非核化を支持しており、関係国が自制し、緊張がエスカレートしないことを期待している、国連安保理決議を全面的に支持しており、六者会合の早期再開を希望している旨述べた。また、中曽根大臣より、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況につき事態に改善が見られず、ご協力頂きたい旨述べた。これに対しキエム副首相より、ベトナムは拉致に強く反対する旨述べた。

6.ミャンマー

 中曽根大臣より、ミャンマー情勢に関し、現状を懸念している、現在はミャンマーと国際社会により大変重要な時期であり、先週、ミャンマー政府が適切な対応をとるよう、ミャンマーの外務大臣に話し、明日また話をする予定である、国際社会が一致して対応することが必要であり、安保理メンバー国であるベトナムを含むASEANの役割は重要で、引き続き緊密に協議していきたい旨述べた。これに対しキエム副首相より、ベトナムも関心を持っており、明日EUとミャンマーが会談を行うことは意味深い、ベトナムはASEANの一員として、ミャンマーに国際社会と協調して欲しいと考えており、ミャンマーにも伝えている旨述べた。

7.国連安保理

 中曽根大臣より、常任議席の拡大を含む安保理改革の早期実現を目指しており、ベトナムの協力を得たい、その他の案件についても、共にアジアの安保理理事国として協力を進めていきたい旨述べた。これに対しキエム副首相より、安保理の拡大を含む安保理改革を支持する、ベトナムは一貫して日本の常任理事国入りを支持してきており、この方針は変わらない旨述べた。

8.軍縮等

 中曽根大臣より、昨年我が国はクワンチー省における地雷・不発弾処理事業の実施のための資金援助を行った、また我が国はクラスター弾に関する条約(オスロ条約)の早期発効を目指しており、ベトナムにも参加を前向きに検討頂きたい、中国及びその他の核兵器保有国も参加した世界的核軍縮を進めるため、先月11の指標を提案するスピーチを行った(資料を手交)、来年には核軍縮に関する国際会議を日本で開催する、こういった提案に対するベトナムの支持を得たい旨述べた。これに対しキエム副首相より、オスロ条約参加は検討したい、頂いた軍縮の資料は読ませて頂きたい、日本は唯一の被爆国であり、日本で国際会議が開催されるのは意義深く、成功を祈っている旨述べた。

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