平成21年5月4日
(1)日豪関係(含人的交流強化)
中曽根大臣より、日豪間ではハイレベルの交流も大事だが、青少年交流も重要であり、豪州の日本語学習者を中心に交流を図りたい、豪側も日本語教育を支援してほしい旨述べ、ラッド首相より、豪州でのアジア語学学習者の増加に言及し、中曽根大臣の交流強化案を歓迎する旨応答。
(2)軍縮・不拡散
中曽根大臣より、4月27日に行った大臣の核軍縮スピーチを紹介し、核軍縮・不拡散については、オバマ米大統領演説等、世界的に核軍縮の気運が盛り上がっているこの機会を逃すべきでないと述べた。ラッド首相より、日豪が共同議長の核軍縮・不拡散国際委員会は素晴らしい仕事を行っており、2010年のNPT再検討会合に向け、成果をアピールしたい旨述べた。
(3)世界経済・金融危機
ラッド首相より、G20は世界経済・金融危機に対応するための有益な機会であり、次回第3回会合に向け日豪で更に協力したい旨述べ、中曽根大臣より、G20は金融・世界経済危機という緊急事態に対し世界的協調を打ち出す良い機会であり、第3回サミットに向け連携していくことで一致した。
(4)捕鯨
ラッド首相より、IWCや二国間を通じて双方が満足出来るよう引き続き議論したい旨述べ、中曽根大臣よりは捕鯨が日豪関係に悪影響を与えないよう引き続き議論していきたい旨応答。
(1)二国間関係
(イ)総論
スミス外相より、日本の外相として初のパース訪問、また、麻生政権の初の閣僚の訪問を歓迎すると述べ、中曽根大臣より、今回の訪問を機に、二国間関係のみならず、日豪が地域、グローバルな課題に取り組み、より高いレベルのパートナーシップを目指していきたい旨応答。
(ロ)安全保障協力
スミス外相より、昨年12月の「2+2」会合を受け、日豪安保協力を進めたい旨述べ、中曽根大臣よりは、日豪間では秘密情報保護協定につき作業を進めさせたい、また日米豪閣僚級戦略対話について早期に開催してくべき点で一致した。
(ハ)開発援助協力
開発援助分野の協力の可能性について事務レベルで緊密に意見交換することで一致した。
(ニ)日豪交流強化
両国は日本語学習者を中心とした日豪交流強化のための作業部会を6月にも立ち上げることで一致。中曽根大臣より、豪州の日本語学習大学生50人を企業文化研修等のための訪日プログラムを立ち上げたいと述べ、スミス外相はこれを歓迎した。
(2)新型インフルエンザ
中曽根大臣より、国境を越えた感染拡大を食止めるため国際協力が重要である旨述べ、日豪間で情報共有を行っていくことで一致した。また中曽根大臣より、メキシコ政府の要請によりマスク等の救援物資を送付予定である旨説明した。
(3)地域的取り組み
(イ)北朝鮮
中曽根大臣より、ミサイル発射について安保理決議を厳格に実施することが重要、六者会合の扉は閉ざすことなく、北朝鮮の賢明な判断を期待する、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた豪州の協力を評価する旨述べ、スミス外相より、豪はミサイル発射の対応等日本の立場を支持してきている、拉致問題については日本を強く支持する旨述べた。
(ロ)太平洋地域
スミス外相より、フィジー情勢を懸念し、明日にもPIF資格停止が発動される可能性が強い旨述べ、中曽根大臣よりは、日本政府としては圧力だけではなく、対話を継続することが重要との立場であるが、民主化が後退したことは残念、島サミットへの参加問題はしかるべきタイミングで決定したい旨発言。
(ハ)スリランカ情勢
両国はスリランカにおける国内避難民の現状を懸念することで一致し、それぞれがとっている措置、緊急人道支援につき説明した。
(4)グローバルな問題
(イ)軍縮・不拡散 スミス外相より、4月27日に行われた核軍縮に関する中曽根大臣スピーチを興味深く読み、内容を歓迎する旨述べ、中曽根大臣より、両国が共同議長を務める核不拡散・軍縮国際委員会は順調に進んでおり、両国間で2010年NPT運用検討会議に向け連携してきたい旨述べた。
(ロ)イラン
スミス外相より、イランの核問題につき国際社会の懸念をイランに理解させることが重要と述べ、中曽根大臣より、これからイランを訪問し、地域の安定に向けた取り組みを働きかける旨応答。
(ハ)アフガニスタン
日豪間でアフガニスタンの平和と安定に向け協力を行うことで一致し、具体的な協力案件につき日豪間で引き続き検討していくこととした。
(ニ)パキスタン
スミス外相より、日本が主催した支援国会合の成功に祝意を表し、中曽根大臣より、予定より多くのプレッジが得られた、スミス外相の参加、豪の多額のコミットに謝意を表した。
(ホ)G20
スミス外相より、G20の枠組みは重要であり、ワシントンでの次期会合に向け日本と協力したい旨発言し、中曽根大臣より第3回サミットに向け豪州と連携していきたい旨発言。
(5)EPA/FTA
スミス外相より、交渉を実りある形で進めることが双方の利益と述べ、中曽根大臣より、多くの分野で着実に進展しているが、農業のセンシティビティを踏まえ現実的かつ建設的な対応が重要と応答。
(6)捕鯨
スミス外相より、本件の解決に向け引き続き議論したいと述べ、中曽根大臣より、本件が2国間関係に悪影響を及ぼさないことが重要と述べた。
バーネット首相より、パース訪問を歓迎、西豪州と日本の経済関係は長くかつ重要で、日本からの投資を含め日本との経済関係がなければ現在の西豪州の発展はなかったであろうと述べ、中曽根大臣より、逆を返せば、西豪州からの資源・エネルギーの提供がなければ日本の経済発展もなかったであろう、今後とも日本と西豪州の関係強化に努力したい旨述べた。