平成21年7月22日
7月22日(水曜日)午前8時10分から8時25分まで、中曽根外務大臣は、ASEAN関連外相会議出席のため訪れたプーケット(タイ)において、カシット・ピロム・タイ外務大臣との間で二国間関係等について意見交換を行ったところ、概要は以下のとおりです。また、会談後、両外相は、日・タイ受刑者移送条約(注)の署名を行いました。
(1)中曽根大臣から、今次ASEAN関連外相会議の成功により、タイへの信頼が回復され、企業の投資や観光が促進されることを期待する旨述べました。
(2)中曽根大臣から、先般、麻生総理大臣が発表したアジア貢献策の一環として第8次バンコク上水道整備計画に対し約45億円の円借款を供与する旨伝えました。これに対しカシット外相から深甚なる謝意の表明がなされました。
(3)中曽根大臣から、在タイの日系中小企業に対する支援についてタイ政府の協力を求めたところ、カシット外相から日系中小企業の役割の重要性を認識しており、支援していきたい旨述べました。
(4)両外相は、今回、受刑者移送条約に署名することを歓迎するとともに、今後とも両国間で刑事分野での協力を進めていくことで意見が一致しました。
中曽根大臣から、拉致、核、ミサイル等の諸懸案の包括的解決が必要であり、安保理決議を着実に実施し、核保有や弾道ミサイル開発を絶対に認めない姿勢を明確にすべき旨発言しました。カシット外相は、これに理解を示しつつ、ARFにおいて建設的な意見交換を行いたいと述べました。
(注)日・タイ受刑者移送条約
我が国とタイ王国との間で、相手国の裁判所が拘禁刑を言い渡した自国人受刑者について一定の条件を満たす場合にその本国に移送する手続等を定めるもの。本条約の締結によって、タイ王国において刑に服している邦人受刑者及び我が国において刑に服しているタイ人受刑者に母国において刑に服する機会を与えることが可能になり、これらの受刑者の更生及び社会復帰の促進に寄与するとともに、刑事分野における二国間協力に貢献することが期待されます。