平成21年7月22日
ASEAN関連外相会合のためにタイ・プーケットを訪問中の中曽根外務大臣は、22日13時25分から約50分間、外交部長との間で会談を行った。
(1)日中関係総論
双方は、本年もハイレベルでの意思疎通が不断に行われ、本年後半も引き続き頻繁な交流を継続していくことを確認した。この関連で中曽根大臣から、楊部長の訪日を招請した。
(2)東シナ海資源開発
中曽根大臣から、早期に国際約束締結交渉を開始させることが必要である旨指摘した。また、中曽根大臣から、中国側の白樺油ガス田における昨今の動静について、我が方としての懸念を申し入れ、戦略的互恵関係を後退させるような行為をとらないよう申し入れた。楊部長からは、当該油ガス田の現状に実質的な変更はない旨の説明があるとともに、中国側としても昨年の合意を重視しており、事務レベルでの接触を続けていきたい旨述べた。
(3)新疆ウイグル自治区での事案
(イ)楊部長から、本件は内外の分裂主義者が行った計画的・組織的な犯罪である、中国側は法に基づいて対処してきており、多くの死傷者が出ているが、状況は落ち着いてきている等の説明があった。
(ロ)中曽根大臣から、多数の死傷者が出たことについて懸念を示すとともに、平和的な解決を望んでおり、事態を注視している旨述べた。
(4)ギョウザ問題
中曽根大臣から、国民の関心が高く、真相究明が必要であることを改めて述べた。
(1)中曽根大臣から、北朝鮮の核開発及び弾道ミサイル開発は地域の平和と安定に対する重大な脅威であり、これらの問題について、中国との間で、1)北朝鮮の核保有を認めないこと、2)五者が共に努力して北朝鮮の非核化を実現することが重要であること、3)安保理決議が決定した措置を国際社会が実施していくことが重要であること、を確認してきたことは有意義である、六者会合議長国としての一層の役割に期待する旨述べた。
(2)楊部長からは、北朝鮮による二回目の核実験により、六者会合の非核化プロセスや北東アジアの安定は重大な挑戦に直面しているが、当面の状況の中、国連安保理決議を真剣に履行し、前向きな情勢を作り、対話による問題の解決が図れるよう関係各国が努力することが必要である、六者会合は問題解決のための有効なプラットフォームであり、日本を含めた関係国との間で緊密に連携していきたい旨述べた。