平成21年3月31日
31日午後4時5分(オランダ時間)から約30分間、オランダ・ハーグにおいて、アフガニスタンに関する国際会議に出席中の中曽根外務大臣とクリントン米国務長官の間で、日米外相会談が行われたところ、概要以下のとおりです。
中曽根大臣から、先般のクリントン国務長官訪日及び麻生総理訪米では、国際社会が直面する様々な諸課題に、日米が連携していくことを内外に示すことができた、特に、核抑止を含む米国の対日防衛コミットメントの明言は非常に効果的であったと述べた。
中曽根大臣から、更に、クリントン長官訪日時に署名したグアム移転協定は、現在国会審議中であり、早期発効に努めたい旨述べた。
クリントン長官は、これらに対して大きく頷いた。
(1)中曽根大臣から、北朝鮮による発射は、地域の平和と安定を損なうものであり、安保理決議違反であり容認できない、関係国の働きかけにもかかわらず発射を強行する場合には、決議の可能性も念頭に安保理で強いメッセージを発信することが重要である、日米間で引き続き、協力して取り組んでいきたい旨述べた。これに対し、クリントン長官からは、北朝鮮が発射を強行する場合、日米が一致して行動し、強いメッセージを発出することが重要である旨の発言があった。
(2)北朝鮮の非核化について、日米で連携しつつ、六者会合の今後のプロセスについてしっかりと相談していくことで一致した。
(3)日米韓の連携が重要であり、先般の日米韓六者会合首席代表レベル会合は有意義であったことで一致した。
(4)中曽根大臣から、拉致問題について、引き続きの貴国の協力を期待したい旨述べた。これに対し、クリントン長官から引き続きこの問題をサポートしていきたい旨の発言があった。
(1)東京で開催されるパキスタン・フレンズ会合及び支援国会合について、クリントン長官から、日本のイニシアティブを評価する、米国からはホルブルック特別代表を参加させたい旨の発言があった。これに対し、中曽根大臣からは、支援国会合は、フレンズ会合におけるパキスタンの中長期的戦略への決意を受け、国際社会が支援を示す極めて重要な機会であり、成功に向けて日米で連携していきたい旨述べた。更に、クリントン長官からは、国際社会がしっかりとしたプレッジを行うことが重要である旨の発言があった。
(2)アフガニスタンについて、中曽根大臣から、米国が発表したアフガニスタン・パキスタン新戦略を歓迎する、各国の得意分野での取組強化、支援の連携が必要である旨述べた。クリントン長官からは、今年の大統領選挙が重要であり、日本による警察官8万人の半年分の給与支援は素晴らしい、治安分野で更なる対策を取る上で重要である旨発言があった。
クリントン長官から、国際結婚が破綻し、子の親権を巡って争いが生じるケースがあるところ、ハーグ条約に加入する可能性を検討してほしい旨発言があった。中曽根大臣からは、子供の観点からしっかりと取り組むことが重要であり、ハーグ条約に加入する可能性について検討していきたい旨述べた。