
日・チリ外相会談(概要)
平成23年6月29日
(英語版)
6月29日(水曜日)午後3時15分(現地時間)から約30分間,メルコスール首脳会合出席のためパラグアイのアスンシオンを訪問している松本外務大臣はモレノ・チリ外相(Mr.Alfredo MORENO Charme, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Chile)と外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです(当方:高橋副大臣他同席)。
1.震災
- (1)モレノ外相から,両国は地震災害という共通の課題を抱えているが,そのため,一方に大きな災害が生じたときは他方が必ず相手のそばにいることを痛感できる関係にある,チリは過去に3度大地震に見舞われたが,1960年の大地震以降,日本の支援を得ており感謝する,東日本大震災については注意深く現状をフォローしている旨述べました。
- (2)これに対し,松本大臣から,東日本大震災に関するチリからの支援に感謝する,震災という共通の課題にともに取り組んでいきたい,原発事故については収束に向け全力で取り組むとともに調査・検証を行っており,必要な情報提供を行っていきたい旨述べました。
2.輸入規制
- (1)松本大臣から,現在チリは我が国から輸入する全食品に対し放射能検査の証明書提出を求めているが,日本政府は国際基準も踏まえた基準値を設けて食品の安全性確保に努めており,今後も迅速な情報提供を行うので,現在の一律広範な輸入規制を緩和して欲しい旨述べました。
- (2)これに対し,モレノ外相から,規制当局に確認したい旨述べました。
3.TPP
- (1)松本大臣から,TPPに関するチリからのこれまでの情報提供に感謝しており,引き続きよろしくお願いしたい,TPP参加国との経済関係強化は我が国の未来のために適切である旨述べました。
- (2)これに対し,モレノ外相から,日本にはぜひTPPのメンバーになって欲しいと考えている,震災後の日本に必要なのは自由貿易による経済開発の牽引であると考える,かつてチリも発展のため自由貿易を必要としていた旨述べました。
(なお,会談の最後に,高橋副大臣から,ワシントンにおいてチリ鉱山落盤事故の最後の救出者に会ったエピソードを紹介しました。)