12月10日(金曜日),バリ民主主義フォーラム第3回閣僚会合出席のためインドネシア・バリを訪問中の前原外務大臣は,7時55分頃から約30分間,スシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア大統領を表敬したところ,概要は以下のとおりです(先方同席:ハッタ経済担当調整大臣,マルティ外相他,我が方同席:中山経済産業大臣政務官他)。
本件表敬の後,ユドヨノ大統領立会いの下,前原大臣とハッタ大臣の間で,首都圏投資促進特別地域構想(詳細別添)に関する協力覚書の署名式が行われました。
1 二国間関係等
- (1) 前原大臣から,地域の大国であり,世界最大のイスラム人口を有するインドネシアとは,戦略的関係を深めていきたい旨述べました。
- (2) これに対し,ユドヨノ大統領から,是非二国間関係を更に深化させていきたい,日本は民主主義のお手本であり,対話を更に深めていきたい,インドネシアは来年ASEAN及びEASの議長国を務めることから,東アジア情勢,北朝鮮情勢,南シナ海の問題等について対話を深めていきたく,日本の積極的参加を期待する旨述べました。また,開発の面で,インフラ整備や投資誘致を進めたいと考えており,日本は重要なパートナーであることから,今後更に協力を深めていきたい旨述べました。
- (3) 前原大臣から,インドネシアの経済成長における潜在力を開花させるためにも,インフラ整備に協力していきたい,インドネシアはアジアのキープレーヤーであり,アジアの発展のために協力していきたい旨述べました。
- (4) これに対し,ユドヨノ大統領から,アジアについてはASEAN,ASEAN+3,EAS等の様々な枠組みがあり,地域の安定と繁栄のために対話を深めていきたい旨述べました。
2 北朝鮮
- (1) ユドヨノ大統領から,李明博・韓国大統領とのやりとりを紹介し,朝鮮半島を巡る事態が悪化して戦争に至ることを懸念しており,そうならないよう努力していかなければならないということで一致した,北朝鮮問題について各国が中国と協力していくことが重要である旨述べました。
- (2) これに対し,前原大臣から,ユドヨノ大統領の考えに同意する,地域の平和と安定へ向け,中国を含む各国で協力していくことが必要である旨述べました。
首都圏投資促進特別地域の概要
1 総論
覚書に基づく協力は,ジャカルタ首都圏(ジャカルタ,ボゴール,デポック,タンゲラン,ブカシ)を含む地域を最優先として実施する。
2 ジャカルタ首都圏のインフラ整備の主要な構成要素
(1)インフラ整備の加速
- (ア)国際港湾の開発
- (イ)ジャカルタ東方に位置する工業団地群の改善
- (ウ)大量運輸ネットワークの開発
- (エ)道路ネットワークの整備
- (オ)首都圏空港の開発及び関連インフラ整備
- (カ)上下水道の改善
- (キ)廃棄物処理システムの改善
- (ク)洪水管理システムの改善
- (ケ)電力インフラの改善
(2)官民の対話
既存の投資関連規則の運用改善のため,インドネシア関連機関のハイレベルの代表者と日本の官民の関係者との間の定期的な対話。
3 全体計画
全体計画を策定し,「早期実施事業」の特定,インフラ等に求められる品質基準,実施スケジュール,資金手当のスキーム,民間の参画の枠組等を特定する。
4 案件の準備
ジャカルタ首都圏においては,計画の策定と並行して早期実施事業の準備を進める。