高村外務大臣

日中ハイレベル経済対話終了後の日本側参加5閣僚のぶら下がり会見記録

平成19年12月2日

 12月1日夜、日中ハイレベル経済対話終了後、日本側参加閣僚6名のうち、日程の都合上参加できなかった額賀財務大臣を除く5大臣(高村外務大臣、甘利経産大臣、若林農水大臣、鴨下環境大臣、大田経済財政担当大臣)が合同で記者会見を行ったところ、概要以下の通りです。

<高村外務大臣>

(1)皆さん今晩は。4時間にわたる第一回日中ハイレベル経済対話は成功裏に終えることが出来ました。日中で共同文書も発出することが出来た訳です。これは後で皆様にお配りさせて頂きます。

(2)内容は大きく分けて四点でありまして、マクロ経済政策について、双方の共通理解が深まったということ。それから、第二点は環境・省エネ協力について意見の一致を見ることができたこと、それから第三点は、知的財産権の問題を含めて、貿易・投資の問題について協力を進めるという話が出来たということ、第四点は地域経済、或いは国際経済についての共通認識を深めることが出来たということだと思います。

(3)先ほど申し上げました通り、共同文書も発出することが出来ましたので、これに則って更に戦略的互恵関係を進めていきたいと思います。来年は、日本で、まだいつ頃ということは決まっておりませんが、第二回のハイレベル経済対話を開くということについても一致したということでございます。あとそれぞれ各参加者から発言をしてもらいます。

<甘利経産大臣>

 本日の対話では、何点かの成果がありました。

(1)まずマクロ経済政策について。中国が誤解と心配をしているのは、日本の経験に鑑み、元高を容認してしまうと、経済が失速するのではないかという心配です。これに対し、日本は円高により経済が失速したのではなく、それへの対応で中長期にわたって金融緩和政策を行ったため、実物実態経済と離れた過剰流動性がバブルを引き起こし、それに緊急に対処するために慌てて舵を切り、急激に引き締めを行った結果バブルが崩壊し、そのために苦労することになったと。円高自体は、短期的には色々克服する点はありますが、自国経済を最終的には強くするのだと、だから元高についてはもっと正面から立ち向かって行くべきというのが我々の主張であるとお話ししました。この点につき我が方の知見を是非共有して、政策協議を強化して行くことで認識を共有したという点が一つです。

(2)2点目は省エネです。我々が強調しているのは一石三鳥。つまり、その分だけエネルギーを使わずにすみ得であること、その技術は実は競争力強化に繋がるということ、その結果としてCO2が削減されて地球環境にも貢献できますという一石三鳥施策です。であるから、取り組まない手はない、という話をしました。これは認識が共有されており、先の東アジアサミット等でも、省エネ目標・計画策定のための新たな研修を実施するという提案をしたところです。これは従来から省エネ法の制定、制度の設計等について、協力をするということになっていますが、新たに長期エネルギー需給見通し等で中長期の省エネについても取り組んでいくというものです。また省エネ環境ビジネス推進のモデルプロジェクトも立ち上げていますが、これを一層促進することで具体的な目に見える事例を展開していくということで一致しました。

(3)3点目に貿易投資については知財分野で進展がありました。知財保護の強化というのは、途上国と先進国が対立する案件ではなく、実は双方の発展に繋がる協力案件なのだということを我々は主張している訳であり、中国側からは日本が毎年派遣している官民合同ミッションの貢献が高く評価をされました。それから知財の保護のための執行協力強化のために、知財問題は手口が巧妙になってきており、国を跨る知財侵害などもありその把握が出来ないため、その情報の提供や、あるいは中央政府はそういうキャパビルが出来つつあるが地方はまだそれが出来ていない部分もあるので、地方での知財交流の協力を提案し、具体的協力方策を早急に協議するということで意見の一致を見ました。

(4)最後の国際経済問題、これはWTOドーハラウンドの早期モダリティ合意についても、認識を共有できました。

(5)東アジア経済連携については、我が方の取組みを報告し、協力を確認したところです。

<若林農水大臣>

(1)本日の日中ハイレベル経済対話については、私の方からは盛り沢山ですけれども、一つはバイオマス分野の協力、二つ目は環境を念頭に置きました森林の保全・緑化推進、三つ目は精米など日本産農産物の中国への輸出の促進、四つ目は東アジアの植物品種保護のシステム、五つ目は農産物の品質の安全、安全性の問題、六つ目は農業分野における協力といった各分野について、これまで農林水産省が中国との間で行ってきた様々な交流・協議を踏まえまして、更に一層これを推進する観点から発言をしたところでございます。

(2)中でも、日本産の農産物の中国への輸出につきましては、ハイレベル経済対話に先立って李長江検験検疫総局長と協議を行いまして、直前に、ハイレベル協議が始まる直前までそれぞれが主張をし合った訳ですが、直前に決着を見た訳であります。それは、農畜産物のうち特に日本産精米の恒常的な輸出の実現、二番目は中国産のカボチャの輸入を我が方で解禁するという問題、三つ目は中国産の偶蹄類、偶蹄類というのはウシとかブタとか爪が割れている動物のことですが、偶蹄類の肉の加熱加工施設を追加して指定するという問題、さらに実は鶏の生肉について、日本が輸入の道を開いてもらいたいと、そういう4つの問題が出されておりました。生肉の問題を除いて、三点については来年3月末までの解決を目指して協議を加速しようということで、何を詰めればいいかということについてお互いに確認をしたところでございます。

(3)また、米につきましては、3月までに恒常的な輸出についての協議を精力的に詰める訳ですけれども、第一便の24トンについて上海・北京で販売した訳ですけれども、弾切れをしていますから、我々としては恒常的な輸出がそれだけ長引くわけで、その間第二便としてその輸出を150トン、これを認めるということにした訳でございます。以上、ご紹介を申し上げます。

<鴨下環境大臣>

(1)気候変動については、中国側からは、途上国の立場からは共通だが差異のある責任という原則であることといった説明がありました。私からはCOP13で話し合われる予定の次期枠組み策定に向けた交渉の場に中国が積極的に参加するように要請しました。

(2)環境については、本日午前中に署名した、コベネフィット・アプローチによる協力の推進について紹介するとともに、長江流域等の重要水域の水質汚濁防止、オゾンや黄砂などの越境大気汚染対策、廃棄物対策、環境教育の推進など、個別分野の協力について意見交換を行いました。

(3)中国側からは、私の提案について全て真剣に検討したいとの回答がありました。

(4)今回の成果を踏まえ、中国との環境分野の協力を更に発展させていきたいと思います。

<大田経済財政担当大臣>

(1)私からは、中国側の関心に応え、日本経済の現状及び我が国の経済政策の経験についての説明をするとともに、日中両国を含めた世界経済の現状や見通しについて議論を行いました。

(2)また、私から、日中経済の相互依存関係が深化していることから、中国経済の安定的・持続的発展は日本にとっても重要であり、中国が過剰流動性の解消によりバブルを回避し、消費を中心とした内需主導の安定的な経済成長を持続することを期待するとの考えを伝えました。これに対し、中国側より、地価、株価など資産バブルのリスクの蓄積とインフレ圧力の高まりを認識しており、金融の引き締めや緊縮的な財政政策運営により、過剰流動性の解消に向け、努力していく旨が表明されました。

(3)更に、日中両国及び世界経済における課題に対応するため、対話と協調を強化することについて意見が一致しました。

【問】今回これだけの閣僚が日中双方勢揃いして最初の会談を行った訳ですが、その意義について改めて会議を終えてみてどのように感じましたか。

<高村外務大臣>

(1)両国首脳によって戦略的互恵関係を進めようということになっている訳であります。そういう中で中国側で言えば温家宝首相のイニシアティブによって日中ハイレベル経済対話をしようということで、まあどこの国でも政府というのはある意味縦割りのところがある訳でありますが、こういう風に閣僚あるいは部長クラスが一同に介して、そしてお互いの経済全体について話し合う機会を得たと。そしてそれについて共同文書を発出することができたと。

(2)これは両国が本当に戦略的互恵関係にある、それを進めようとしていることを日中両国民のみならず世界中の人に示すことになる訳で、非常に意義があったと思います。我々もそう捉えていますし、中国側もそういう風に捉えていると思っています。

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