高村外務大臣

日CLV外相会談(概要)

平成20年7月22日

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 7月22日18時30分から19時30分にかけて、シンガポール・シャングリラホテル内会議室において、高村大臣が、トンルン・ラオス副首相兼外相、キエム・ベトナム副首相兼外相、カオ・キムホン・カンボジア外務国際協力省長官との間で日CLV外相会談を行ったところ概要以下の通り。

1. 日メコン・日CLV協力

(1)高村大臣より、「信頼」「発展」「安定」をキーワードに、本年1月の日メコン外相会議以降の進展を概要以下のとおり説明した。

(イ)信頼:日メコン交流年

 2009年の日メコン交流年を通じて、日本とメコン地域の「信頼」の基盤を再度固めたい。日本は官民あげて様々な行事を企画しており、8月15日に交流年準備のための日メコン高級事務レベル(SOM)会合をタイで開催する。

(ロ)発展:物流効率化、経済協力、投資協定/EPA

(a)陸上物流網整備は、域内の比較優位を活かした「発展」の基本的な条件。日メコン外相会議で約束した東西回廊及び南部回廊物流効率化のための2千万ドル支援については使途の大枠で合意した。

(b)CLV各国及びメコン地域全体に対するODA拡充に関して、昨年度は目標を達成した。引き続き努力を継続していく。

(c)また、貿易投資促進の基盤となる法的枠組として、近く日カンボジア投資協定及び日ラオス投資協定が発効することを歓迎。日越EPAについても交渉を加速化させたい。

(ハ)安定:開発の三角地帯

 「開発の三角地帯」に対して、昨年度は二国間ODAを通じて約29億円の支援を実施した。これとは別に、日ASEAN統合基金を通じた2千万ドルの支援も近く実施する。

(2)これに対して、CLV各国外相より概要以下の応答があった。

(イ)2009年日メコン交流年の成功に向けて積極的に協力していきたいとの考えが一致して示され、ラオスからは日メコン女性議員会議、ベトナムからは文化交流や観光促進に関する特別週間行事を開催する考えが表明された。

(ロ)東西回廊・南部回廊物流効率化支援及び開発の三角地帯支援をはじめとする日本の経済協力に対する謝意が一致して表明された。開発の三角地帯における道路整備の重要性などが指摘され、日本の更なる支援に対する期待が表明された。

(ハ)投資協定やEPAといった法的枠組が整備されることにより、日本企業によるCLVに対する貿易投資が増大することへの期待が表明された。

2. 国際場裡における協力

(1)気候変動

 高村大臣より、先般のG8サミットで共有された2050年までに温室効果ガス排出量を半減するとの長期目標への支持・賛同を要請した。CLV側からは、G8サミットの成功への祝意が示され、日本のイニシアティブへの歓迎と支持が表明された。

(2)北朝鮮情勢

 高村大臣より、地域の平和と安定のためにも六者会合共同声明の完全な実施を通じ、北朝鮮の核放棄及び拉致問題を始めとする諸懸案の解決を通じた日朝間の国交正常化を実現したいとした上で、北朝鮮に対し核問題や拉致問題に真摯に取り組むようCLV各国からの働きかけを要請し、CLV外相から六者会合プロセスの最近の進捗への歓迎と拉致問題に関する日本の立場への理解が示された。

(3)国連安保理改革

 高村大臣より、我が国の国連安保理常任理事国入りに関するCLV各国からの支持に謝意を示しつつ引き続き協力していきたい旨述べた。CLV側からは日本が安保理常任理事国入りを一貫して支持してきており、この立場は今後とも変わらない旨表明がなされた。

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