9月27日(木曜日),午後3時15分(現地時間)から約30分間,国連総会に出席するためにニューヨークを訪問中の玄葉光一郎外務大臣は,英国のウィリアム・ヘーグ外務大臣(Rt Hon William Hague, Secretary of State for Foreign and Commonwealth Affairs)との間で日英外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1.冒頭
玄葉大臣から,天皇皇后両陛下御訪英の協力に感謝するとともに,ロンドン五輪の成功をお祝いし,これらの機会に多くの日本人が英国に親しみを持つ機会となった旨述べました。これに対し,ヘーグ外相は,多くの日本人選手が参加し活躍したことは素晴らしかった旨述べました。
2.二国間関係
両外相は,4月のキャメロン首相訪日時に発出された日英共同声明に基づき,安保・防衛,原子力分野での協力を着実に前進させ,また,外相戦略対話を早期に開催すべく調整していくことで一致しました。
玄葉大臣から,英国の高速鉄道プロジェクトを日系企業を中心とする企業連合が受注したことを歓迎し,これが日英経済関係の更なる強化につながることを期待している,また,日EU双方の経済成長に資する日EU・EPAの推進・妥結に向け,引き続き英国の支持が重要である旨述べました。更に,アフリカ開発について,来年,第5回アフリカ開発会議(TICAD V)を主催する我が国とG8議長国となる英国の連携を強化していきたい旨述べました。
これに対し,ヘーグ外相は,日EU・EPAの交渉開始と結実を力強く支持し,協力したいと述べると共に,アフリカ開発等様々な分野において関係を強化していきたいと述べました。
3.イラン
ヘーグ外相から,イラン核問題の解決のため,日本のイラン産原油の輸入が減少していることを歓迎している旨述べたのに対し,玄葉大臣から,我が国は問題の平和的・外交的解決に向けたEU3+3の取組を支持しており,「対話」と「圧力」のアプローチに基づき,伝統的な日イラン間の友好関係を活用し,イラン側に働きかけを続けるとともに,国際社会とも協調していく旨述べました。
4.地域情勢等
玄葉大臣から現下の日中関係に関する我が国の立場を説明したほか,国際的な課題についても意見交換を行いました。