10月12日(水曜日),シンガポールを訪問中の玄葉外務大臣は,13時45分頃(現地時間)から約1時間30分,K シャンムガム・シンガポール外相とワーキングランチを行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 二国間関係
- (1)両外相は,基本的利益や考えを共有している両国の二国間関係が順調に発展していることを歓迎し,二国間関係強化のみならず地域・国際社会の諸課題について積極的に協力していくことで一致しました。
- (2)また,玄葉大臣から,シャンムガム外相を,外務省賓客として我が国に招待したく,早期の訪日を大いに期待する旨述べました。これに対し,シャンムガム外相からは,必ず日本を訪問したい旨述べました。
- (3)東日本大震災に関し,玄葉大臣から,シンガポールからの温かい支援に感謝しました。これに対し,シャンムガム外相からは,日本の復興を確信している旨述べました。また,玄葉大臣から,日本の被災地及び経済は着実に復興に向かっており,我が国はビジネス面でも観光面でも復旧を遂げている旨述べつつ,シ ンガポールからの観光客の増加への期待を表明しました。
- (4)玄葉大臣から,シンガポールが来年開催する予定のASEM原子力安全セミナーを歓迎し,我が国としてできる限り協力したい旨述べました。
2 地域・世界の課題
- (1)アジア太平洋地域の経済連携の在り方について意見交換する中で,玄葉大臣から,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加については,しっかりと議論し,早期に結論を出したい旨述べたのに対し,シャンムガム外相から,日本の参加を期待する旨述べました。両外相は,今後とも情報交換をしていくこ とで一致しました。
- (2)気候変動については,玄葉大臣から,COP17の成功に向けて引き続き協力していきたい旨述べるとともに,地域での協力として東アジアにおける低炭素成長モデルを構築するパートナーシップ構想について協力を求めました。
- (3)また,両外相は,国連安保理改革や,北朝鮮,ミャンマー等の地域・国際情勢についても意見交換をし,特にミャンマー情勢については,玄葉大臣から,ミャンマー政府がとっている国民和解,国際社会との対話の動きにつき,良いペースで進んでいるとの評価を述べました。これに対し,シャンムガム外相は,日本のミャンマー政策を評価するとともに,玄葉大臣の意見に同意し,国際社会としてミャンマーが開かれた国となることをステップ・バイ・ステップで促してい くことが重要と述べました。
- (4)さらに,玄葉大臣から,東アジア首脳会談(EAS)に関し,海洋の協力については,我が国はASEAN諸国を含む地域諸国と共に,海洋という公共財 に関して議論を深め,協力を進めていくことが重要と説明しました。日・ASEANの協力については,玄葉大臣から,連結性強化の協力を重視している旨述べ ました。