外務大臣

第5回日・インド外相間戦略対話(概要)

平成23年10月29日

  • 第5回日・インド外相間戦略対話
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 10月29日(土曜日)、玄葉外務大臣は、来日したクリシュナ・インド外相との間で、飯倉公館において第5回日インド外相間戦略対話を行ったところ、概要以下の通り。

(注:日インド外相間戦略対話は、2007年以降,毎年日インド交互に実施されており,昨年は8月にデリーで実施。)

1.二国間関係
(1)政治・安全保障分野では,玄葉外務大臣より,東日本大震災でのインドからの支援や励ましに感謝の意を伝えるとともに,日インド両国は基本的価値と戦略的利益を共有し経済的にも相互補完関係にあり,インドの安定と発展が日本の国益にとっても大事である,両国間での首脳間及び外相間の定期的な往来が行われていることを評価し,本年は日本の総理がインドを訪問する順番である旨述べた。また,閣僚級経済対話,局長級の日米印協議,及び次官級「2+2」対話を早期に実施することで両外相は一致した。また,両外相は,海賊対処等海上安全保障分野でも協力を強化することで一致し,クリシュナ外相からは,アントニ-国防大臣が近日中に訪日予定である旨述べつつ,海上自衛隊とインド海軍との二国間海上演習実施の提案があった。
(2)経済面では,両外相は,8月の包括的経済連携協定(CEPA)の発効を機に,両国間の貿易・投資等が飛躍的に拡大する期待を表明した他,インドにおけるインフラ整備,特に貨物専用鉄道建設計画(DFC),デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC),高速鉄道構想,再生可能エネルギーを含む環境技術面での協力を推進することで一致した。また,社会保障協定の早期妥結に向け努力することでも両外相間で一致した。
(3)日インド原子力協定交渉については,クリシュナ外相から改めて交渉を進めていきたいとの要望があり,両外相間で交渉を進展させることで一致した。また,玄葉外務大臣から,福島第一原発の事故原因の調査状況や原子力安全への取組について透明性を持って情報提供していく旨述べるとともに,唯一の戦争被爆国として日本の核軍縮・不拡散に対する強い思いに理解を求めた。
(4)レアアースの共同開発については,日本の企業とインディアン・レアアース社との共同事業が前進するよう政府として後押しすることで両外相間で一致した。
(5)来年は日インド国交樹立60周年であり,日インド関係の重要性を両国で認識する機会とすること,また,日インド関係を一段とレベルアップさせることで両外相が一致した。また,玄葉外務大臣から,インド工科大学ハイデラバード校及びインド情報技術大学ジャバルプール校への産官学での支援を引き続き実施していく旨述べた。

2.地域及び地球規模の課題
(1)玄葉外務大臣より,東アジア首脳会議(EAS)を,政治・安全保障の取組の強化を通じて地域の共通理念や海洋等に関する具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムに発展させたい旨述べ,11月のEASに向けて両国で連携することで両外相は一致した。
(2)気候変動に関し,両外相は,二国間の協力が進展していることを歓迎するとともに,国際交渉における立場は両国で異なるものの,今後とも二国間の強化を進めることで一致した。
(3)その他,国連安保理改革や,中国,北朝鮮,ミャンマー等の地域情勢につき意見交換が行われた。


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