タイ王国
中根外務副大臣のタイ訪問(国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)第74回総会出席)
平成30年5月13日から14日まで,中根一幸外務副大臣は,タイ(バンコク)を訪問し,国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の第74回総会閣僚級会合に我が国首席代表として出席したところ,概要は以下のとおりです。今次総会は,「不平等」をテーマに開催され,域内外加盟国53か国の他,準加盟メンバー,国連機関,専門機関,国際機関,NGO等が参加しました。
1 中根外務副大臣のスピーチ(ポイント)(15日午後)

- (1)今次総会のテーマである不平等の是正に関し,所得と富の不平等の縮小に焦点をあて,日本の取組と各国への協力を紹介しました。
- (2)まず,不平等の是正は持続可能な開発目標(SDGs)の目標10に位置付けられている一方,「誰一人取り残さない」を理念とするSDGsの17全てのゴールを達成するために重要であることに言及し,不平等の是正のための日本に取組として,開発途上国の税の能力構築に必要な技術支援を行うとともに「税に関する協働のためのプラットフォーム」やアジア開発銀行(ADB)への資金面の貢献,税制の適切な執行に関する人材育成面の貢献を紹介しました。
- (3)続いて,科学技術・イノベーション(STI)はSDGsを達成するための重要な手段であることを指摘の上,本年6月にニューヨークで開催される「第3回SDGsのためのSTIに関するマルチステークホルダーのフォーラム」にて我が国がメキシコとともに議長を務めることに触れ,SDGs達成に向けて国内外で日本の技術や知見を活用し,積極的に貢献していく考えである旨述べました。
- 総会スピーチ(仮訳(PDF)
)
2 中根外副大臣と各国要人との会談
中根副大臣は,今次総会の機会を捉え,以下のとおりバイ会談を行いました。
(1)ドーン・タイ外相との会談(14日午前)


冒頭ドーン外相より,中根副大臣のタイ訪問を歓迎する旨述べ,両国が昨年修好130周年を迎え,様々なレベルで交流が深化していることを歓迎するとの発言がありました。これに対し,中根副大臣から,福岡に総領事館の開設が決定されたことを歓迎する旨述べ,日タイ関係は経済分野をはじめ順調に発展しており,今後もさらに協力していきたい旨述べました。会談の中では,国際場裡での協力について意見交換が行われた他,中根副大臣から,タイの政治的安定の観点から,民政復帰プロセスの順調な進展を期待している旨述べました。
(2)リー・トゥイッ・カンボジア上級相との会談(14日午前)


冒頭中根副大臣から,2015年以来の再会を歓迎する旨述べ,本年は日カンボジア友好65周年であること,本年1月にカンボジアを訪問し,シェムリアップ領事事務所開所式に出席したほか,フン・セン首相に表敬したことに触れ,今後も両国関係を盛り上げたい旨述べました。
これに対し,リー・トゥイッ上級相からは,カンボジアの復興,開発を日本が一貫して支援してきたこと,特に,地雷・不発弾処理支援への謝意表明がありました。また,中根副大臣から,カンボジアの国内情勢について,現状の打開に向けた進展を期待する旨述べました。
(3)レゲンバヌ・バヌアツ共和国外務・国際協力・貿易大臣との会談(14日午後)


冒頭,レゲンバヌ外相から,本年1月に日本の公館が開設されたことを歓迎する,これを機に両国関係が一層緊密化することを期待する旨述べました。これに対し,中根副大臣から,バヌアツにおける火山活動の活発化について言及しつつ,日本も地震・火山噴火を始めとする自然災害が多発する国であり,防災分野でも協力を進展させたい旨述べました。レゲンバヌ外相からは,日本のこれまでの様々な分野での支援に感謝するとともに,継続的な支援への期待が表明されました。
(4)サルムサイ・ラオス外相との会談(14日午後)


冒頭中根副大臣から,本年3月に日本でお会いして以来の再会を歓迎するとともに,4月の河野外務大臣のラオス訪問に触れ,二国間関係の一層の進展を期待する旨述べました。これに対し,サルムサイ外相からは,これまでの日本の支援への謝意表明がありました。
会談の中では,国際場裡での協力についても意見交換が行われました。会談は終始和やかな雰囲気で行われ,両国の緊密な関係の更なる強化の方向性が確認されました。
(5)その他
アクタールESCAP事務局長,マンナン・バングラデシュ財務担当国務大臣とESCAP議場で立ち話を行いました。