地球環境
国連環境計画(UNEP)第6回国連環境総会(UNEA6)(概要と評価)
令和6年3月8日
1 日程
令和6年2月26日(月曜日)から3月1日(金曜日)まで、国連環境計画(UNEP)第6回国連環境総会(UNEA6)がケニアのナイロビにて開催され、約180か国の代表、市民団体、NGO等が出席した。我が国からは、外務省、環境省、農林水産省及び文部科学省からなる代表団が参加した(団長は、滝沢求環境副大臣及び岡庭健ケニア国駐箚日本国特命全権大使)。
2 会議の概要
- (1)UNEA6では、「気候変動、生物多様性の損失、汚染に取り組むための効果的で包摂的かつ持続可能な多国間行動」と題する閣僚宣言(英文(PDF)
)のほか、我が国とフィジー、カナダ、チリ、スイス、ノルウェー、及びペルーの共同提案に基づく「シナジー・協力・連携の国際環境条約及び他の関連環境文書の国内実施における促進」に関する決議(英文(PDF)
)等、計15本の決議、並びに、UNEA7の日程及びUNEPの活動計画・予算に関する決定案2件が採択された。
本閣僚宣言では、気候変動、生物多様性の損失、汚染の3つの世界的な危機に取り組むことや、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に係る作業を2024年度末までに完了することなどについて改めて確認した。 - (2)なお、これらの成果文書(閣僚宣言、決議・決定等)の調整のために、2月19日(月曜日)から23日(金曜日)まで公開常駐代表委員会(OECPR)が開催され、協議が行われた。
3 評価
- (1)我が国は、「シナジー・協力・連携の国際環境条約及び他の関連環境文書の国内実施における促進」に関する決議を提案し、採択に向けた議論を主導した。同決議の採択により、気候変動、生物多様性の損失、汚染への取組において、相乗効果(シナジー)のある政策やプロジェクトの積極的な実施が奨励される。
- (2)滝沢求環境副大臣がハイレベルセグメントのプレナリーにおいてスピーチ(和文(PDF)
)を行い、気候変動と生物多様性の損失、汚染分野の3つの世界的な危機を克服するため、シナジーを世界規模で推進する必要性を述べた。また、シナジー推進決議を通し、シナジーの重要性の共通認識を国際的に醸成すること、シナジーの好事例を収集し、シナジーの実現方策を示したガイダンス作成をすること、さらに、各国でシナジーを高める施策を実施していくことを主張した。
- (3)なお、今次総会においては、環境副大臣の閣僚級会合への出席をはじめ、環境省本省の局幹部を含む各省関係者のほか、UNEP本部がナイロビに所在することから、在ケニア日本国大使館からも大使及び複数館員も事前準備も含めた各種会合に参加し、同館書記官が共同議長として一部の決議案の議論のまとめ役を務めるなど対応した。