地球環境
オゾン層の保護のためのウィーン条約第11回締約国会議(COP11)及びオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第29回締約国会合(MOP29)
平成29年12月6日
- 11月20日から24日までモントリオールにおいて,オゾン層の保護のためのウィーン条約第11回締約国会議(COP11)及びオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第29回締約国会合(MOP29)が開催され,我が国から外務省,経済産業省及び環境省の関係者が出席した。
- 今次会合では,3年に一度行われるモントリオール議定書多数国間基金(MLF)の増資交渉が行われた。また,昨年,オゾン層を破壊しないが高い温室効果を有するHFC(ハイドロフルオロカーボン)の生産・消費の段階的な削減を規定する議定書改正(キガリ改正)が採択されたことを受け,HFC削減に関連する事項等について議論が行われた。
(1)MLF増資交渉
途上国のモントリオール議定書遵守支援のために設けられている多数国間基金(MLF)の次期3年間(2018~2020年)の資金規模について交渉が行われた。その結果,議定書の下で現に義務付けられているHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)の削減量が増大していくことや,今後新たにHFC削減のための支援を行う必要があることに伴い,2018~2020年のMLFの資金規模は前期(2015~2017年)の5億750万ドルより増額された5億4千万ドルとなった。
(2)HFC削減に関連する事項等
HFCの生産・消費や貿易量に関するデータ報告やHFCの破壊技術について議論が行われ,これらは引き続き来年の議定書公開作業部会(OEWG40)で議論されることとなった。HFCを削減する際の途上国のエネルギー効率の維持・向上についても議論され,OEWG40の際にエネルギー効率に関するワークショップを開催することが決定された。そのほか,HFCに代替する物質の安全基準についても議論が行われた。
(3)不可欠用途申請
豪州,カナダ,アルゼンチン,中国及び南アフリカからの臭化メチル(MB)の不可欠用途申請について,MBTOC(臭化メチル技術選択肢委員会)の勧告に基づき一定量が承認された。また,中国からの四塩化炭素の不可欠用途申請についても,一定量が承認された。
(4)次回締約国会合(MOP30)
次回議定書締約国会合(MOP30)は,2018年11月,エクアドルにて開催される予定。なお,次回条約締約国会議(COP12)は2020年にMOP32と同時に開催予定。