地球環境

平成28年5月31日

1 日程

 5月23日(月曜日)から27日(金曜日)まで,ナイロビ(ケニア)において国連環境計画(UNEP)第2回国連環境総会(UNEA2)が開催され,150か国の代表及びステークホルダー,メジャーグループ等が出席した。我が国からは関環境事務次官他が出席した。

2 会議の概要

  • (1)国連5地域の輪番制に基づき,中南米地域からエドガー・グティエレス・コスタリカ環境エネルギー大臣が議長に選出された。
  • (2)閣僚級で行われたハイレベルセグメントにおいては,持続可能な開発のための2030アジェンダの環境的側面の実施,Healthy Environment, Healthy Peopleを横断的テーマとしつつ,持続可能な開発のための投資等について政策的な議論が行われた。
  • (3)事務レベルで行われた全体会合においては,直近で採択された国際環境アジェンダの実施,海洋,化学物質・廃棄物,生物多様性等の喫緊の環境課題への対応や,多数国間環境条約の間のシナジー,UNEP事業計画・予算等について,技術的な議論が行われた。
     また,同会議期間中は関連するサイドイベントが多数開催され,我が国はモンゴル及びUNEP国際環境技術センターとともに,2015年にUNEPが発表した世界廃棄物管理概況に関するサイドイベントを実施した。
  • (4)会議における主な決議・決定の内容は,以下のとおり。
直近で採択された国際環境アジェンダの実施
 2030アジェンダ(2015年9月採択)や2020年以降の気候変動に係る国際枠組であるパリ協定(同12月採択)等の実施を支援するための決議が採択された。
海洋関連
 海洋環境保全,海洋プラスチックごみ対策,持続可能なサンゴ礁管理等に関する決議が採択された。
化学物質・廃棄物
 我が国がEU,モンゴル等と共同提案した化学物質及び廃棄物の適正管理に関する決議のほか,持続可能な消費と生産(SCP)及び食品廃棄物の削減等に関する決議が採択された。
生物多様性
 野生動植物の違法取引対策,持続可能な開発及び貧困撲滅のための自然資本の管理,生物多様性に係る国際環境条約間のシナジー等に関する決議が採択された。
その他
 2018~19年事業計画・予算や,現在偶数年(2年に1回)に実施されているUNEAを奇数年(2年に1回,次回は2017年)の実施に変更する旨等が決定された。

3 評価

  • (1)持続可能な開発のための2030アジェンダ(2015年9月)や気候変動に係るパリ協定(同年12月)の採択後初めてのUNEAであり,UNEPが今後環境分野の活動を進めるための基礎となる会合となった。
  • (2)海洋環境保全については,UNEPのフォーラムにおいてもその重要性が確認されたところ,今後全国連加盟国による取り組みが進められていくことが期待される。
  • (3)我が国が推進する3R政策については,我が国が議長国を務めたG7富山環境大臣会合(本年5月)の主要議題の一つとされ,UNEA2では,我が国,EU,モンゴル等が共同提案した化学物質・廃棄物の適正な管理に関する決議が採択された。今後,我が国(大阪市)に所在するUNEP国際環境技術センター等を活用しつつ,同決議の積極的な実施が期待される。
  • (4)環境分野においては2030アジェンダやパリ協定等の画期をなす国際的合意が形成されてきており,UNEPは国連において環境分野を専門とする唯一の組織としてこれらの実施に主導的な役割を有することから,我が国としてもUNEPの活動に引き続き貢献していく。

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