地球環境
水銀に関する水俣条約政府間交渉委員会第7回会合
3月10日から15日まで,ヨルダンにおいて「水銀に関する水俣条約政府間交渉委員会(INC)第7回会合」が開催されました。
会合には,各国・地域の政府代表の他,国際機関やNGO等が参加しました。我が国からは,外務省,経済産業省及び環境省から構成される政府代表団が出席しました。また,会期中にザンビアとセネガルが本条約を締結しました。
会合の概要は,以下のとおりです。
1 総論
2013年10月に開催された水俣条約外交会議で採択された決議に基づいて議題が設定されました。(1)技術的事項,(2)財政事項,(3)報告・有効性評価及び(4)規則・法的事項に関しコンタクトグループが設置され,本条約発効後に開催されることになっている締約国会議第1回会合(COP1)において採択されるべき事項等,同決議において付された優先順位に基づき,本会合,及びコンタクトグループ等において議論が行われました。
2 各論
(1)技術的事項
水銀の輸出入について,輸入国の事前の同意に係るフォーマットの使用方法などを示す手引をCOP1での採択を前提に仮採択しました。また,50トンを超える量の水銀又は水銀化合物の個別の在庫および年間10トンを超える量の在庫を発生させる水銀の供給源を特定する方法等に係る手引を,COP1での採択を前提に仮採択しました。
水銀の大気排出に関する利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行(BAT/BEP)の手引については,一部の国からその位置付けに関する懸念が示されたことを受けて,当該手引と本条約上の義務との差異を明確化するための修正を行った上で,暫定版として採択されました。
環境上適正な暫定的保管については,指針策定にあたってのロードマップが採択されました。今後は,各国が推薦する専門家の協力を得つつ,本条約暫定事務局が指針案を作成することになります。
(2)財政事項
地球環境基金(GEF)に関し,本条約上の支援を実施するための取り決め案をCOP1での採択を前提に仮採択したほか,「全般的な戦略,政策,計画の優先度並びに資金へのアクセス及び資金の利用のための資格に関する手引」(案)及び「GEFの信託基金から支援を得ることができる活動の種類を示す一覧表」(案)を,GEF評議会に送付することを決定するとともに,「能力形成及び技術援助を支援する特定の国際的な計画を主催する機関及び同機関に対する手引」について議論が行われました。
(3)報告・有効性評価
我が国と米国が共同提出した水銀モニタリングと有効性評価に関する提案等を踏まえ議論が行われ,有効性評価のためのモニタリングについて,COP1までの会期間に暫定事務局が関連する情報を取りまとめ,その結果をCOP1に報告することとなりました。
(4)規則・法的事項
COPの手続規則及び財政規則について議論が行われました。