ODAと地球規模の課題

生物多様性条約カルタヘナ議定書第7回締約国会合結果概要

平成26年10月5日

1 総論

  • (1)「生物の多様性に関する条約(CBD)のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」(以下「議定書」という。)の第7回締約国会合が,2014年9月29日から10月3日,平昌(ピョンチャン:韓国)にて開催され,締約国の代表団のほか,非締約国,国際機関,産業界,教育機関及び市民団体等の関係者がオブザーバー参加した。我が国からは,外務省,財務省,文部科学省,農林水産省,経済産業省及び環境省の職員等による政府代表団が出席した。
  • (2)今次会合では,締約国が議定書の義務を確実に履行できるようになるため,遺伝子組換え生物等(LMO)の生物の多様性の保全等への影響に関するリスク評価等を効果的に実施するためのガイダンス文書の作成の進め方,議定書の第8回締約国会合(COP-MOP8)において締約国の議定書の義務の履行状況等を評価等するための方法等が決定された。

2 各論

(1)リスク評価及びリスク管理

 LMOの輸入に係る決定に先立ち実施することが求められているリスク評価(議定書第15条)に関して,専門家グループにより策定されたガイダンス文書について,適切な場合に,締約国のリスク評価に試行又は使用すること,試行を通じて提出された意見を元にCOP-MOP8までにガイダンス文書を更新及び改善するためのメカニズムの確立等が決定された。また,専門家グループを延長するとともに各地域から1名を追加すること,資金が利用可能な場合に,専門家グループの会合をCOP-MOP8までに開催すること等が決定された。

(2)社会経済上の配慮

 LMOの輸入について決定するに当たり,生物の多様性の保全及び持続可能な利用に及ぼす影響に関する社会経済上の配慮を自国の国際的な義務に即して考慮することができるとする議定書第26条に関し,専門家グループを延長し,資金が利用可能な場合に,概念上の明確性(conceptual clarity)を高めるための検討を継続すること等が決定された。

(3)議定書の評価及び検討

 締約国会合(COP-MOP)は5年ごとに議定書の有効性の評価を行うこととされており(議定書第35条),今次会合では,COP-MOP8において当該評価を「議定書の戦略計画2011-2020」の中間評価と連同して行うこと,また,当該評価に当たっては,COP-MOP8の前に締約国から提出される第3次国別報告書の情報を活用すること等が決定された。

(4)名古屋・クアラルンプール補足議定書

 本補足議定書は,これまで25か国及び欧州連合が締結している(発効には40か国の締結が必要)。本補足議定書の理解及び実施を促進するため,啓発向上,能力開発及び解説書作成が重要であることが確認され,それに向けた取組を進めること等が決定された。

(5)その他

  • ア 今次会合では,遵守委員会の報告及び開発途上国等の発言等から,多くの開発途上国等において議定書の義務を履行するための国内措置が依然として適切に実施されていないことが明らかとなり,各議題において,議定書の確実な実施をいかに確保するかに関する議論が多く行われた。
  • イ 議定書の確実な実施を確保する観点からも,上記(1)から(4)のほか,(i)バイオセーフティ情報交換センターを通じた各締約国による情報交換を促進するための体制整備及び能力開発等の取組を進めること,(ii)開発途上国等における議定書の実施を支援するための資金メカニズムへの指針等が決定された。
  • ウ また,各締約国における議定書の実施に関する経験及び教訓を共有するための特別セッションが開催され,事例発表及び意見交換が実施された。
  • エ さらに,議定書運営予算について,我が国は最大の義務的拠出金の拠出国であるが,議定書の確実な実施かつ事務局機能の効率化に向けた議論の結果,次期2か年(2015~2016年)の予算は6,434千米ドル(前期比9.3%増),我が国の分担金額は2か年合計で829千米ドル(前期比8.0%減)と決定された。なお,CBD及び議定書における構造及びプロセスを効率化するため,(i)これまで1週間のCOP-MOPの後にCBDの締約国会議(COP)を2週間開催してきた方式を変更し,2週間でCOP及びCOP-MOPを同時開催すること,(ii)CBD及び議定書の実施を検証するための補助機関を設立することが,翌週10月6日(月曜日)から同地で開催されるCOPの第12回会議で決定に向けて議論される予定であるが,今次会合でも内容につき一致をみた。

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