
第60回国連総会
「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」決議(骨子)
【前文】
- 広島・長崎の被爆60周年の機会に、核兵器のない平和で安全な世界を実現するために、すべての国が核兵器の全面的廃絶に向け、更なる実際的及び実効的措置をとる必要性を想起。かかる措置をとる決意を新たにする。
- 核戦争及び核テロリズムを回避するためにあらゆる努力を払うべきことを確信。
- 核兵器不拡散条約(NPT)が国際的な核軍縮不拡散体制の礎として、決定的に重要であることを再確認。2005年NPT運用検討会議における実質的な事項に関する合意の欠如及び2005年9月の国連総会首脳会合成果文書における核軍縮及び不拡散に関する言及が削除されたことに遺憾の意を表明。
- 1995年NPT運用検討・延長会議の決定及び決議、並びに2000年NPT運用検討会議最終文書を想起。
- 拡散ネットワークが引き起こすものも含め、大量破壊兵器、特に核兵器の拡散により増大しつつある危険に関する深い懸念を表明。
- 2005年9月に開催された第4回包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進会議の最終宣言を歓迎。
【主文】
- NPTの義務を履行することの重要性を再確認し、効果的なNPT運用検討プロセスの重要性を強調。
- NPTの未締約国に対し、遅滞なくかつ無条件にNPTに非核兵器国として加入することを要請するとともに、NPTに加入するまでの間、NPTの目的を損なう行動を抑制し、同条約を支持する実際的な措置をとるよう要請。
- すべての種類の核兵器のなお一層の削減を含む更なる措置を慫慂するとともに、核兵器廃絶に向けた取組みの過程において、不可逆性、検証可能性、及び透明性を適用することの重要性を強調。
- ロシア及び米国が更なる核軍縮への一歩となるべき戦略攻撃能力削減条約(SORT)を完全に実施し、SORTを超える核兵器削減に着手することを慫慂。
- 核兵器関連物質の削減を目的とした国際的協調の枠組みにおける努力を慫慂。
- 核兵器システムの運用状態の一層の低減を要請。
- 安全保障政策における核兵器の役割を低減させる必要性を強調。
- CTBTの未署名・批准国に対し早期に署名・批准するよう要請。CTBTが発効するまでの間、核実験爆発の既存のモラトリアムを維持することの重要性を強調。CTBT検証体制の継続的な開発の重要性を再確認。
- 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)交渉の即時開始と早期妥結の重要性を強調。すべての核兵器国及びNPT非締約国に対し、同条約発効までの間、兵器用核分裂性物質生産モラトリアムを宣言することを要請。
- 核兵器及びその他の大量破壊兵器並びにその運搬手段の不拡散を要請。
- IAEA追加議定書の普遍化及び安保理決議1540の重要性を再確認。
- 軍縮・不拡散教育の取組を奨励。
- 核不拡散・核軍縮促進における市民社会の建設的役割を奨励。