平成17年10月27日
ニューヨーク時間26日(本邦時間27日)、我が国が提出した核軍縮決議案「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」が、国連総会第一委員会において、賛成166、反対2(米国、印)、棄権7の圧倒的多数で採択された。本年の我が国核軍縮決議案は、1994年の提出以来最大の支持を集めたこととなる。今後、同決議案は国連総会に送られ、12月初旬(予定)に再度票決に付される。
(1)1994年以降我が国は毎年「究極的核廃絶決議案」を提出。2000年以降は「核兵器の全面的廃絶への道程」に名称を変え決議案を提出。
(2)被爆60周年の本年は、5月のNPT運用検討会議及び9月の国連総会首脳会合において軍縮・不拡散分野で実質的な内容の合意ができなかったことを踏まえ、決議案を新たに構成し直し、重複を避け、簡潔で力強い決議案とした。
(3)核兵器のない平和で安全な世界の実現を、現実的かつ漸進的な取り組みを通じて実現するという基本的な考え方は、本年も維持している。
(4)また、昨年の決議同様、NPT(核兵器不拡散条約)遵守の重要性を強調し、CTBT(包括的核実験禁止条約)の早期発効・核実験モラトリアムの継続を要請し、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の交渉開始と早期妥結の重要性を強調している。
(1)上記2.(2)を踏まえ、決議の名称を「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」に変更。
(2)本年のNPT運用検討会議及び国連総会首脳会合成果文書において合意に達することができなかったことに遺憾の意を表明。NPT運用検討プロセスの重要性を強調。
(3)昨年は重要性の認識にとどまっていた以下の点について、具体的実施を要請する行動志向の決議案とした。
(イ)米露によるモスクワ条約以上の措置の実施、及びすべての種類の核兵器のなお一層の削減を含む更なる核軍縮措置の実施。
(ロ)すべての核兵器国及びNPT非締約国による兵器用核分裂性物質生産モラトリアムの宣言。
(ハ)IAEA追加議定書の普遍化及び国連安保理決議1540の完全実施を含む不拡散の取組。