軍縮・不拡散

核不拡散・核軍縮に関する安保理首脳会合における安保理決議1887号の採択(概要)

平成21年9月24日

  • 24日(現地時間)、ニューヨークにて、オバマ米大統領議長の下、鳩山総理始め安保理メンバー国首脳の参加を得て開催された核不拡散・核軍縮に関する安保理首脳会合において、全会一致にて安保理決議1887号(2009)が採択されたところ、ポイント以下のとおり。
  • 本件決議は、前文24段落、本文29段落から構成され、核関連の全分野(核軍縮、不拡散、原子力の平和的利用、核セキュリティ)を包括的にカバー。

1.「核兵器のない世界」 (前文段落1)

NPTの目標に沿って、すべてにとってより安全な世界を追求し、「核兵器のない世界」に向けた条件を構築することを決意。

2.NPT(前文段落6、7、本文段落2~6、9、17)

NPTの重要性を再確認するとともに、2010年運用検討会議でNPTを成功裏に強化し、3本柱(核軍縮、核不拡散、原子力の平和的利用)について現実的で達成可能な目標を設定するために協力することを呼びかけ。NPT非締約国に対して非核兵器国としてのNPT加入を要請。消極的安全保証(安保理決議984)が核不拡散体制を強化。

3.核軍縮(前文段落10~12、本文段落5)

米露によるSTARTⅠ後継条約に向けた交渉を歓迎。NPT第6条に基づく誠実な核軍縮交渉を要請。

4.非核地帯条約・構想(前文段落13、14)

非核兵器地帯条約締結への動きを歓迎・支持し、非核兵器地帯が核不拡散体制を強化し核軍縮に貢献することを確認。

5.市民社会の役割(前文段落23)

あらゆるNPTの目的を推進する上での市民社会の貢献に留意。

6.CTBT(本文段落7)

すべての国が核実験を行わず、CTBTに署名・批准し、同条約が早期に発効することを要請。

7.兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)(本文段落8)

2009年に作業計画がコンセンサス採択されたことを歓迎し、早期にカットオフ条約につき交渉することを要請。

8.北朝鮮・イラン(前文段落15、16、本文段落10)

前文で関連安保理決議を再確認し、本文では「国連安保理が対処してきた、不拡散体制に対する現下の主要な挑戦」として北朝鮮及びイランを暗示しつつ(それぞれの名称への言及はなし)、関係当事国に関連安保理決議の遵守を要求。

9.IAEA(本文段落12、14~16、18)

IAEA保障措置は核の不拡散と原子力の平和的利用のための協力推進に不可欠。追加議定書への署名・批准・実施を要請。IAEAの資源と権威を確保することの重要性を強調。

10.原子力の平和的利用 (本文段落11、12)

拡散のリスクを低減し、保障措置・核セキュリティ・原子力安全の各項目について最高レベルの規準を遵守しつつ原子力平和利用の推進を奨励。平和利用の「奪い得ない権利」(NPT第4条)を確認。

11.核テロ対策 (前文段落18、20~22、本文段落21、24~27)

核テロへの懸念を表明。来年の核セキュリティ・サミットへの支持を表明。機微物質や技術の移転管理、金融・輸送面など、具体的な措置を講じていくことをすべての国に呼びかけ。

12.非国家主体への大量破壊兵器拡散防止 (前文段落24、本文段落22、23)

全国連加盟国が安保理決議1540の完全な履行のために協力することを要請。

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