
2009年11月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:オーストリア)
ボスニア・ヘルツェゴビナ
- 18日、ボスニア・ヘルツェゴビナに展開する欧州連合部隊(EUFOR)設置に関する承認を12ヶ月間延長する決議第1895号を全会一致で採択した。
- 23日、インツコ上級代表による情勢ブリーフィングと討論が行われた。
コンゴ民主共和国
- 30日、決議第1807号に基づくコンゴ民主共和国に対する武器禁輸等の制裁措置を1年間延長するとともに、専門家パネルのマンデートを拡大する決議第1896号を全会一致で採択した。
ソマリア
- 30日、安保理決議第1846号及び第1851号(両決議ともソマリア沖の海賊対策等に関するもの)で規定された諸措置を1年間延長する決議第1897号を全会一致で採択した。
- 16日、非公式協議の後、ソマリア制裁に係る決議第1844号に定める諸措置が引き続き必要との認識を示すプレス声明を発出した。
- 18日、公開会合が行われ、アブダラ事務総長特別代表(国連ソマリア事務所(UNPOS)所長)がソマリア沖海賊問題の現状につき説明。発言した各国は、決議第1846号,第1851号に基づく国際社会の取組継続、ソマリア沖海賊対策コンタクト・グループ(CGPCS)の重要性、ソマリアの安定及びソマリア暫定連邦「政府」(TFG)・地域諸国の能力強化の重要性等を指摘した。
紛争下の文民保護
- 11日、公開討論が行われ、紛争下の文民保護に関する最初の決議第1265号から10周年を迎えたことを踏まえ、紛争当事者に国際人道法の遵守徹底を改めて求める決議第1894号を全会一致で採択した。
ギニアビサウ
- 5日、ムタボバ事務総長代表のブリーフィングと非公式協議の後、ギニアビサウで大統領選挙が成功裏に行われたことを歓迎し、新政権による反不処罰、国民和解の促進や、社会・経済発展に向けた努力に留意する議長声明(S/PRST/2009/29)を発出した。
イラク
- 16日、メルケルト事務総長特別代表からのブリーフィングに引き続き非公式協議を行い、選挙法改正に関するイラク当事者間の合意を歓迎し、2010年予定の選挙に対する国連イラク支援ミッション(UNAMI)の支援を支持するとともに、8月と10月のテロ攻撃を非難する議長声明(S/PRST/2009/30)を発出した。
アフガニスタン情勢
- 3日、8月に実施された同国大統領選挙に関し、2日の独立選挙委員会(IEC)発表(カルザイ候補を勝者と認定)を受け、非公式協議が行われた。同協議後、安保理議長(オーストリア)より、「IEC発表に留意し、安保理理事国はカルザイ大統領と協働することを期待する」旨のプレス向け発言を行った。
- 更に、6日、安保理非公式協議後、、大統領選挙の終了を確認する内容のプレス・ステートメントを発出した(リード国として我が国が起案、調整を行った。)。また、同協議後、事務総長からも、プレスに対し、国連職員の安全強化措置に関し、「我々は(アフガニスタンから)退避するのでなく、活動を継続する」旨の発言が行われた。
北朝鮮
- 19日、安保理非公式協議にて決議1718委員会及び専門家パネルの中間報告につき取り上げられた後、安保理議長より、決議第1718号及び同第1874号の完全な履行のための専門家パネルの作業の継続に期待を示すと共に、これらの決議の完全な遵守の必要性を強調する旨のプレスに向けた発言を行った。
ネパール
- 6日、ラングレン事務総長代表より、事務総長報告を補足して、現地の政治情勢や包括的和平合意の履行状況につきブリーフィングが行われた。右ブリーフィングを受けた非公式協議の後、安保理議長より、現行マンデートの期限までに国連ネパール政治ミッション(UNMIN)の活動を終了させるために必要な決定を行うようネパール政府に求めること等を内容とするプレスに向けた発言が行われた。
レバノン
- 10日、安保理決議第1701号に関する非公式協議の後、安保理議長より、「安保理は、決議第1701号の履行に関する協議の中で、レバノン新政府の樹立につき歓迎した」旨、プレスに向けた発言を行った。
大湖地域
- 9日、オバサンジョ大湖地域担当事務総長特使がブリーフィングを行い、コンゴ民主共和国政府と人民防衛国民会議(CNDP)の3月23日合意以降の情勢改善につき説明した。
- 17日、ウガンダ反政府勢力「神の抵抗軍(LRA)」のコンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、スーダン等での活動を非難するプレス・ステートメントを発出した。
中東情勢
- 24日、メンケリオス政務局事務次長補より、西岸における入植地を巡る情勢、ガザ地区の人道情勢等に関しブリーフィングを行い、引き続き非公式協議が開催された。
平和構築委員会
- 25日、平和構築委員会の年次報告に関する討論が行われた。
テロ関係3委員会合同ブリーフィング
- 13日、決議1267(アル・カーイダ・タリバーン制裁)委員会、CTC(テロ対策委員会)及び決議1540委員会(核不拡散委員会)各議長からの合同ブリーフと討論が行われた。